メカ・ロン -3

(文化の研究目的による引用画像があります)

『戦闘メカ ザブングル』ウォーカマシン初期デザイン

2020/11/12最終更新

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2009/12/26(2012/6/20追記) (2012/6/20追記) (2015/12/23追記)(2020/11/12追記)

(『戦闘メカ ザブングル記録全集』各巻、『出渕裕 メカニカルデザインワークスⅠ』より)
ウォーカーギャリア 大河原ラフ
没企画 エクスプロイター 大河原邦男 出渕裕 矢木正之 湖川友謙
ダッガータイプ ラフ 出渕 富野 。(2012/6/20追記)正確にはおそらく「出渕(不明、↑?)→富野(不明)→湖川→出渕/富野(引用画像)→湖川クリーンアップ」の順で、湖川氏の筆が入った時点でダッガーの形がほぼ確定している物と思われます。つまり実質上の湖川メカで、誤解を招く表現であった事をお詫びします。
(2015/12/23追記)わかりにくいのでまとめます。当時の模型情報で出渕氏が「ダッガーは湖川」と発言しており(更に「デザインワークスⅠでも扱いが妙に小さい)、そこから「出渕(エクスプロイター)→(湖川? 画稿未公開)→出渕(丸キャノピー)→富野→湖川清書」と推測できます。ただし肝心の画像が公開されていないため、実際には異なる可能性も存在します。ちなみに大河原氏は「コアファイターは安彦氏」と良く発言していますが、実際にはほとんど大河原メカです。
(2020/11/12追記) 出渕→富野→湖川 (↑がわかりにくいので要約)。

ギャロップタイプ ラフ  出渕 湖川 富野
トラッドイレブン ラフ 出渕 富野 湖川
クラブタイプ ラフ 出渕 湖川
ガバメントタイプ、プロメウスタイプ ラフ 湖川 (2020/11/12追記 この他にも存在しており、富野展で公表されました) 
カプリコタイプ没版 富野 出渕
オットリッチ没版 出渕
小型WM ラフ 出渕
VLKR(バルキリ) ラフ 出渕
ランドシップ アースサンダー ラフ
小型メカ ラフ 湖川


■解説(言い訳)

●「メカ・ロン」の読解のためには、やはりウォーカーギャリアのラフもエクスプロイターも外せないと判断しました。まあ色々と問題はあるかとは思いますが、この暗い時代を生きる我々に今何よりも必要なのは「文化の理解」ではないかと日々考える所存です。
●スキャン元の『戦闘メカ ザブングル記録全集(全四巻)』は、あの「ギャリアキット化応援団長」あさの氏すら持っていなかったそうです。なにしろ書店には置かれない通販販売限定の高額本でしたからねえ・・・。しかしセンチネルを生んだオタク・オブ・オタクでさえ持っていないという事は、つまり一般人は・・・これは文化の発展にとって大変なマイナスです。
●これらのスキャンを長らく控えていたのは、徹底的にマニアックなザブングルのムック(妄想書名「ウォーカーマシン・アライブ」)が出たりするかも…という淡い期待があったたためですが、もはやその日のくる確率は日本に巨大隕石が激突するくらいであろうと判断しました。あとバンダイの1/48ギャロップに1/35フィギュアを乗せる日がくる確率も多分同じくらいでしょう・・・つまり二万年後です。
●VLKR(バルキリ)の富野ラフは公開されていない様です。ちなみにアニメック別冊に掲載された池田繁美氏によるVLKRはドランと同色で描かれています。
●なお、主なWMにはバンダイのリアルタイプ設定画と出渕画稿が存在しており、WMのコンセプトを掴む上で重要です。前者は『ザブングル完全設定資料集』(ただし全てを収録している訳ではない)、後者は『出渕裕メカニカルデザインワークス I.』(白黒画稿を掲載、ただし放映当時は彩色された物が公表された)を参照下さい。
●2万年後の「ウォーカーマシン・バリエーション」展開の際は、没版カプリコのネーミングは「ワルサー」に一票。テーマソングは当然「すっきなものすっきなもの、ブルーストーン♪」。
●2万年後の海外展開の際には、いっその事WM全部の名前を変えてもいいんじゃないかと。詳しくは雑記09-12/20をどうぞ。


■おまけのWMリンク

1/100カプリコタイプ インスト色々。
ザブングルコンペ「惑星ゾラの住人3ファイナル」 すこくいっぱい!
sus4system ギャロップ。
鬼将軍 Web site トラッド11。
RITTAIDOURAKU プロメウス。
モ デ リ ズ ム 1/100ブラッカリィ。
35Guitar 1/100センドビード。
#190:鳥山明とザブングルとCITY



2010/1/16
■ザブングリンク

レゴで、ITC作品メカを増殖中!【Part- VII】・アニメ編 - 特撮 プロップス 倉庫 - すばらしいバッファロー! レゴ書籍にも掲載されています。(2020/11/12)別の方による物の勘違いでした、誠に申し訳ありません。
ザブングル - ザビアツタ -  膝が逆関節(ここ重要!)のザブングル。
http://blogs.yahoo.co.jp/yqsbc547/39700891.html かなり以前より目にする土建風コラ。高荷義之画伯の世界から抜け出た様で、まさに「WMの本質」がここにあります。
ドクタースランプと戦闘メカ・ザブングル - 教えて!goo
WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第114回 『ザブングル』のドライさ


■WMが好きな御大と米国人
21世紀への再生 その2 - ひびのたわごと
『ニュータイプ100% スーパーロボットジェネレーション収録の富野インタビュー』
―「ザブングル」は、富野監督なりの肉体賛美、肉体論なんですよね?

それは全然逆なんです。一見、そうは見えますが、僕にとっての純粋なメカものなんです。メカのことしか考えていなくて、プラモは売れなくて大ヒンシュクだったけど、僕はウォーカーマシンのプラモ以外は組み立てようとは思わないくらいウォーカーマシンが大好きなの!!(笑)。道具というのは、ああであるべきだし、戦車を人型にしたらこうなるんだ、というのが一番似合っているし。だからモデラーがウォーカーマシンを嫌いなわけがないって今でも信じているし、もっと大きなスケールで40㎝くらいあるウォーカーマシンのプラモ、欲しいです(笑)。

 世の大半を占めるスパロボ大戦でしかザブングルを知らない方は「えっ、そうだったの?(またお禿がわけのわからない事を…)」と思い、ごく少数の年寄り(ギャリアトラウマ世代モデラー)だけが「まさにその通り!」…という感じでしょうか。ただ後者の私にしても「えっ、ホントにメカの事考えてたのか? デザインは丹念に手をかけていたのはわかるんだけど」(ちなみにザブングルメカの富野ラフは当サイトにある物以外にも多く存在)…と突っ込みたくなる感もありますが。

 まあそれはさておき、もし数十年後にバンダイが巨大な1/48ザブングル(カ○キ風リファインでパンツがヒンジ可動)を出した後、イタコに御大の霊を召還したらきっとこう言うでしょう。
「ぜんぜん違うよ、僕が欲しかったのはでっかいギャロップなの!」

 「メカ・ロン」で述べられてる通り、富野氏がザブングルの監督に就任した時はザブングルのデザインが完成した後で、変更も不可能でした(つまり「ザブングルタイプ≠ウォーカーマシン」です)。そして「WMのコンセプト」がいかに秀逸であったかの証拠は、日本ではなくハリウッドにあります。

廣田恵介『スーパーロボットコンプレックス』(T2出版) より
※書名を誤って『~ジェネレーション』と記述していました、誠に申し訳ありません。お詫びして訂正させて頂きます。(2013/6/2)
p126-127
ウォーカーマシンには何種類ものタイプが存在するか、そのデザインは従来の巨大ロボットのいずれとも違っていた。(中略) 『ロボジョックス』のデザイン・ヒントにウォーカーマシン(のプラモデル)が深く関与していたことは、まず間違いないのではなかろうか。(中略) もうひとつ確信しているのは、『ロボジョックス』のスタッフが『サブングル』のアニメ映像を見て「影響」された可能性はまず皆無であろうということだ。

p129
いささか余談めくが、このスカウト・ウォーカーのデサインには盗用の疑いがあるとして、裁判沙汰になったそうだ。『帝国の逆襲』が製作に入る以前に、アメリカのSFコンペンションで販売されていたデザイン画“ガーシアン・ウォーカー”そっくりだというのである。

p132
ロボコップ(ROBOCOP '87年)に登場した警備ロボット“ED-209”である。逆関節はスカウト・ウォーカーの流れと理解しても、その足首を見よ! くさび型のつま先をカバー状のスネで覆う構造は『ザブングル』に登場した“トラッド11”そっくりなのである。
(中略) いよいよトラッド11、いやED-209が歩き出した! あのスネのカバーはどうする? アニメみたいに歪んだり縮んだりはできないはずだ・・・ところが、見よ! 足首が動く度に、二重構造のカバーの内側部分が連動して引っ込むではないか! 確かに、これならば歩行のジャマにならない! カバーの二重構造以外にも細かい工夫を加え、アクションそのものに機能的な説得力を付与する徹底ぶり……いやはや脱帽、もう降参。

 プラモデルの生産量は当然ガンダムがはるかに多く、ダグラムやボトムズだってあったにもかかわらず、パクられた…もとい影響を与えたと思われるのはザブングル(ザブングルタイプ除外)だというこの事実。

 WMは、ガンプラ至上主義(ターンエー除外)に全体が染まりきった日本よりも、海外の方が受け入れられやすいのではないかと思います。ちなみに日本ではロボットにはちゃんと頭部があって目が二つないと主流になれないのですが、米国ではロボットはあくまでマシーンだととらえられている様です・・・というか、ロボットに憧れる文化自体がありません。TFはあくまでキャラクターでバルキリーはマシーンなれど、ガンダムはキャラなデザインなのに意思が無いため、どっちつかずの理解できない存在の様です。そういえば「ガンダムって目がついててオモチャっぽくてヤダ」という日本人はいまだに見た事がありませんねぇ、さびしいよララァ…。


■【海の彼方へ】検索チェック【ひとりごと】

 カタカナでグーグル検索…531位 (ザブングル古書籍リスト)、画像検索…72位(Xabungle-1)
 ローマ字でグーグル検索…4位 (Xabungle-1)、画像検索…1位(Xabungle-1)
 ローマ字で米国グーグル検索…178位 (Xabungle-1)、画像検索…4位(Xabungle-1)

 531位というのは無論、ネット上に存在していないに等しい絶望的な順位です。所詮これが冷徹なる「結果」であり、はてブ以外の被リンクも相変わらず皆無。まあ私は昔からこんな感じの芸風なので、予想はついていましたが・・・(想定と違ったのは唯一、お隣からはてブを付けて頂ける事のみ)。ちなみに英語での上位を狙ってカタカナを考慮しなかったのは、ネットにおけるザブングルの半分はアニメではなく「お笑い」のためですが、こうも低いというのは流石に何とも・・・。ただ、四半世紀後には状況が変わっている可能性もあるかもしれません・・・ただし日本ではなく、海外で。
http://otakujanai.org/2008/12/10/super-robot-wars-z/
 まあ悪い冗談というか、多分何かの勘違いだとは思うのですが・・・(もしスペイン語のわかる方が御覧でしたら、どうか突っ込みお願いします)。

 あ、ところで海外といえば、メカドメにWM、重機動メカ、ブレン、キンゲがないのはおかしいですよカテ(以下略)。なお言うまでもない事ですが「ウォーカーマシンの本質」は公式設定画では伝わりにくいので、できればその点ヨロシクお願いします。



2012/6/20 (2015/12/23追記)

~2015/12/23削除~

■ランドシップ等のデザイナーリスト

「アースサンダー」 富野ラフ(未公表)→出渕→富野修正→湖川微修正→出渕
「アースハリケーン・ボツ版(画面未登場)」 富野ラフ→出渕
「ガバリエ」 湖川
「パープル・キャット」 富野ラフ(未公表)→出渕
「ダブルスケール」 富野原案→出渕→?(銃器のクリーンアップと同じメガネサインあり。おそらく矢木正之と思われる)
「バッファロー」 富野原案→出渕
「デラバス・ギャラン」 富野ラフ→出渕
「エンペラー改」 出渕
「ゴルゴン」 富野ラフ→出渕
「ウォーカータンカー」 富野ラフ→出渕
「ホバギー」 湖川

2015/12/23追記
 ここで言っててもしようがないので、2014年夏に然るべき場所で然るべき様にしました。


2012/6/23
■WMのルーツ年表

紀元前480 木の馬(4脚) cyberneticzoo.com Wooden Horse Carriage -Lu Ban
1892 ビッグ・ブラック・オストリッチ cyberneticzoo.com– Electric Bob’s Big Black Ostrich – Robert T. Toombs
    ウォーキング・オストリッチ cyberneticzoo.com– “Hockbockid” Walking Mechanical Ostrich – Bradshaw
1896 ウォーキング・マシン cyberneticzoo.com– Lathrop & Edison Walking Machine
1897 「宇宙戦争」ウォーマシン(3脚) はるかな世界を描いた英国の画家 Warwick Goble: camarade
1932 メカニカル・ホース(4脚) cyberneticzoo.com– Mechanical Horse – D. G. Alzetta
1955 ウォーキングタンク(4脚) cyberneticzoo.com– Phant Walking Tank (Dan Dare) – Frank Hampson
1962 コンバットウォーカー(4脚) Action Typist: November 2008
1965 「サンダーバード」 ゴング(4脚) cyberneticzoo.com– Thunderbird’s “Sidewinder”
1969 シド・ミード US Steel Walker(4脚)
cyberneticzoo.com– Walking Cargo Vehicle – Syd Mead
1976(本人談) リー・サイラー「ガーシアン・ウォーカー」
1980 「帝国の逆襲」
1982 「戦闘メカ ザブングル」
1987 「ロボコップ」米国公開

年代不明 Dark Roasted Blend: Dieselpunk: Love Affair with a Machine
人型ロボの歴史 cyberneticzoo.com Early Humanoid Robots
 下の方が…先行者を笑えません。

LFL訴訟の行方(4)ウォーカー裁判〈前編〉|作家集団Addictoe オフィシャルブログ
LFL訴訟の行方(5)ウォーカー裁判〈中編〉|作家集団Addictoe オフィシャルブログ
FL訴訟の行方(6)ウォーカー裁判〈後編〉|作家集団Addictoe オフィシャルブログ
 サイラー氏に直接電話されたとは…何と貴重な。しかしAT-ATの脚部はどう見てもシド・ミードです、本当にありがとうございました。



2013/6/20

新旧プラモつくっちゃうぞ!おもちゃもね・・・プラモデル製作日記です! 20110618
 貴重な資料。バンダイ側は小型三種のカラーイラストも同時に起こしていますが(記録全集2参照)、初出時が不明です。

http://zaki123.tumblr.com/post/37286268901/mecha3
 貴重な資料。テレビランドと思われますが時期は不明(おそらくアニメージュ付録ポスターより前)。モノクロ図はタッチが違うので別人でしょう。

○2012/6/20の追記は、ウィキで提示されていた出渕インタビュー(’82年の模型情報)を受けての物です。湖川メカならば、未発表の湖川ラフが存在するはず…なれど、本当にそれはあるのか。画像が無い以上、無い可能性も考慮すべきではないのか。
○ちなみに大河原氏は「ギャリアはやってない」と何度か言ってるのですが、無論「定説」を打ち消すための物でしょう。つまり、「本人の発言が必ずしも正しい訳ではない」ものの、それを考慮してしまうとキリがありません。



2015/12/23
■その後のガーシアン

スカウト・ウォーカーにまつわるエトセトラ〈その1〉|作家集団Addictoe オフィシャルブログ
スカウト・ウォーカーにまつわるエトセトラ〈その2〉|作家集団Addictoe オフィシャルブログ
帝国スカウト・ウォーカー商品カタログ/まつわるエトセトラ〈その3〉|作家集団Addictoe オフィシャルブログ
スカウト・ウォーカーの変貌/まつわるエトセトラ〈その4〉|作家集団Addictoe オフィシャルブログ
裁判再検証/スカウト・ウォーカーにまつわるエトセトラ〈その5〉|作家集団Addictoe オフィシャルブログ

AT-STモデルチェンジの真相(前編)/〜にまつわるエトセトラ〈その6〉|作家集団Addictoe オフィシャルブログ
AT-STモデルチェンジの真相(後編)/〜にまつわるエトセトラ〈その7〉|作家集団Addictoe オフィシャルブログ



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