サルガン

サルでもわかるガンパラ教室

 


●007X年、ジオニック社内にて

 工場に横たわる巨大なロボットの前で、軍の広報官達がヒゲの老博士に詰め寄る。
「ロボットではない、モビルスーツだ。私はこれをザクと名づけた・・・何か質問はあるかね?」
「あのぅ、二本の足は何のためにあるのですか?」
「当然、宇宙を走るためだ」
「は、走るって・・・足で?」
「無論。ザクの足が宇宙空間を蹴った瞬間、ミノフスキー空間がダイラタンシー現象を起こして壁の様に固くなるのだよ。簡単に言うと、水の上に見えない足場を作って走る、といった感じだな。」
「空間が固く・・・そんな事がありうるのですか?」
「何だ知らんのか、この動画でも見て少しは勉強したまえ。もっともこれは空間ではなく液体なのだが、まあ原理は同じだ」
http://jun.daa.jp/archives/20071007111803.php
「うーん、確かに水の上を素足で走ってますね・・・理屈はともかく、固まる現象が実在するというのは納得しましたが、それだと自分の頭も足場にぶつかりませんか?」
「うむ。それに関しては、機体前方と膝周辺の粒子濃度を薄める装置で対処するのだか、それでも完全という訳にはいかず多少の減速は免れない。よって速度は出せないが、放っておけば止まる訳だから逆噴射もいらず便利ではあるな。デプリもすぐに止まるから装甲も薄くてすむ」
「という事は、慣性移動はできないのですね?」
「そうだ。だが、フィールド内では当然宇宙戦闘機も慣性移動はできない・・・すなわちザクの敵ではない」
「ところで、このロボ・・・いえモビルスーツは、コロニーや地球の空中を走る事もできるのですか?」
「それは流石に無理だ。どう見積もっても200トン以上になるからな・・・ただし、ザクは地上を走らせても最強だ」
 「じ、地面を・・・!?」
 ざわつく場内。しかし自信満々の笑みを浮かべながら博士は続けた。
「宇宙だけでなく地上においても、ザクを倒せる兵器は存在しない。まあ正確に言うのなら、ザクが強いのではなく、ザク以外の兵器が無力化されてしまうという方が正しいのだがな・・・・あ、しまった兵器と言ってはいけないんだった、ええと確か作業機器だったかな、タテマエ上は」
 周囲に笑いが漏れる。
「戦車からの砲撃はどうなのですか?全高18メートルもあるのですよ」
「ザクを61式で倒す事はできんよ。ミノフスキー粒子の充満するフィールド内では、高速運動する物体は全てダイラタンシーの抵抗により速度を減じられてしまうからだ。ちなみにヘリはザクの半径一キロ以内では飛ぶ事すらできん」
「でもそれならば、こちらの砲撃も効かないですよね?」
「それはさしたる問題ではない。粒子は地面に滞留するので、フィールドの効果は高度18m以上は低くなる。つまり弾を山なりに撃つか、敵の前でフォークボールの様に落とせばいい。当たる直前に速度が落ちてしまうのは避けられないが、薄い上面装甲を狙うのでデメリットは相殺される」
「しかし、それなら敵も上に向けて撃ってくるはずですが?」
「うむ。だが速度が落ちるのが発射時と着弾時では、条件が明らかに違う。つまりザクの運動性なら回避は充分に可能だ・・・例えロケット砲弾で速度を上げたとしてもね。唯一怖いのは誘導ミサイルだが、コンピューターが妨害されるのでほとんど役にはたたん」
「という事は、ザクを倒せる陸上兵器は存在しない訳ですね」
「左様。あえて言えば、ザクを倒せるのはザクだけだよ」
「ですが博士、それではこちらもザク以外の地上兵器を投入できませんね?戦車無しというのはコスト的に無理があるのでは?」
「フフ、良くそこに気づいたな・・・全くその通りだが対応策がある。ちょうど今開発させている所なんだが、戦車の砲塔を分離して浮遊させるのだ」
「ハァ、何ですって!? そりゃ確かに理論的には合理的ですが、いくらなんでも・・・」
「君ィ、私を一体誰だと思っているのかね・・・私が浮くと言えば、例え椅子だろうがベッドであろうが浮くのだよ!」
 「し、失礼しました、ごもっともです・・・」
「ン、しまった、うっかりザクのベッド・・・輸送用トレーラーの自衛用銃座を浮かすのを忘れていたぞ・・・善は急げだ、早速作らせねば! 君、後は頼む」
 「あ、ちょっとまだ質問が・・・博士〜!」


※以上のヨタ会話は、下の放置コンテンツの部分要約の様な物です(バリアー関連が会話に出てこないのは機密事項のため)。
ミノフスキー粒子の超真相(暫定版)-その1 その2 その3
 上は現在は若干設定が変更されており、マジャーアタックをワイヤー接続からレーザー式へ変更、あと装甲色関連の屁理屈及びサンシェードステルス概念を追加してます。あと宇宙服の通信機は電波兼コンピューター妨害により、ガンダム世界の様にはホイホイとは使えません。つまり「コミュニケーション阻害」が世界観設定のテーマです。そしてコミュニケーション否定がガンパラの、いや私の芸風です。

 なお、「うーん、自分は設定がウンヌンカンヌンって嫌いなんだよな、そもそもガノタってリアルとリアリティの区別すらついてないし」と日々お嘆きの奇特な貴方へのオススメ本は「グレメカ5号」で、通常のガンダム本とは一線を画したメタ問題提起がユニークです(まあ私にしてみればビームサーベル問題なんかは前世紀に突っ込み&解決ズミでしたけど・・・)。

 グレートメカニック5号「モビルスーツにとっての“リアル”とは?」
>極端に言えばフィルムの表現だって正解なワケではない。そう言っていい所までガンダムというジャンルは来ている様に思う。p9

 あと、5号は氷川氏の発言も要チェックです。

『ガンダムのメカ演出 第3回 肉弾戦における特徴編』
>だが、ミノフスキー物理学の架空の科学考証は数あれど、意外なことに「では、どういう理由で面白くなくなってしまうんだ?」 「結果的にガンダムはどんな映像になったんだ?」と突っ込んで考え、展開した文章はあまり見かけない。ここからも、「ガンダムはリアルだからヒットした」という平板な言い方に欠落しているものが浮き彫りになってきそうだ。
 なぜならば、この件をつきつめていくと「ガンダムと敵モビルスーツが肉弾戦を行うためにミノフスキー粒子が導入された」という事が判ってくるからで、それはガンダム以前のロボットアニメのメインイベントだった「ロボットプロレス」を行うことを目指すもの、ということを意味するからである。これは「リアルにしよう」とはまったく指向性が異なっている。p26

2008/1/14
2008/1/20改稿


 昨日、某局の「ヤレデキ!世界大挑戦 」という番組で、マサイ族の青年が片栗粉を溶いた水の上をジャンプしていました(でんじろう先生の夢だったとか)。この実験は最近テレビで流行ってるらしく、以前にNHKの番組でも水上走行実験をやっていた様です。まあ、アレ見ればガノタなら誰でも瞬時に思いつくだろなあとは思うのですが、私が先んじる事ができたのは数年前に流行った「片栗粉X」のお陰と言えます。ただ、ネットに情報が何でもあるという訳ではないですし、「ガンパラ第四理論」の位置を占める重要コンテンツにもかかわらず書いて3年半経てども言及無しという現実(まあ言及は他もナーンもなしですけど)から見ても、単に「車輪の再発明」にすぎない可能性も低くないとは思いますが、まあおそらく二万年後には判明するでしょう。

 なお、元コンテンツの方は「暫定版」からいまだ動かせない状態です。例えば、地球を這っているペガサスが衛星軌道上からマルミエというのは無論ありえない訳ですが、書いていません。理由は粒子の「実写映像における」表現を、「霧でいくのかゆらぎでいくのか」といった重大な点を決めかねているためです。結局の所、こういった事はパイロットフィルムなりを作ってから判断するのがベストであり、ここで結論を下すのは困難ですので・・・二万年後の人に任せます。

2008/1/20追記



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なぜなぜ質問箱 妄想とお遊び

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