このページは俺ガン妄想を楽しむためのフィクションであり、
現実の「機動戦士ガンダム」の史実とは無関係です。
題名「ミノフスキー粒子の超真相」
著者/トン・デモウ(屯出孟)
出版/明眠書房
●帯コピー
「封印された黒歴史の謎を、ここに史上初めて解き明かす!」
●裏表紙/著者紹介
本名不詳、紀元前三年、中国に生まれる。オカルトに造詣が深く、詩人としても有名。晩年は異端の黒歴史研究に手を染め「あたらしい黒歴史年表をつくる会」を立ち上げるが、極左的な内容から当局に睨まれる事多数、本書執筆の直後には黒歴史保護法違反容疑で逮捕され、翌年獄中で逝去(享年108歳)。
●表紙カバー(表)
「大きな黒歴史学の転換の影には、
私の様な影の妄想がいかに多くあったかを過去の黒歴史に照らして知る時、
全く無意味の物である様に見える私の説も、
大きな宇宙歴史の命ずる所なりと感知するのである。
今、私は全ガノタの気晴らしの一つとしてこれを書き終えたのである。
これでガノタの論争が少しでも静まれば良いのである。
それは将来のガンダムに幸福の種を残す事なのである。」
トン・デモー 聖暦2004年4月26日
●表紙カバー(裏)
推薦文/モウ・ソーヘキ(毛宋碧)
本来、歴史とは確定した揺るぎ無い常識ではなく、「UNT SPACY」の一件の様に、新説によって書き換えられていく物であるはずである。だが現在、その様な事を唱えれば背教者として弾圧されるのが常識であり、よってトン・デモウ氏の説は学会からは完全に無視されている。ただ、その真偽はひとまず横に置いておくとしても、聖書「センチュリー」から歴史にかけられていった呪縛のボタンを一つ一つ外し、新たにかけなおす行為は他に全く類を見ない。そしてレトリックの奥に込められた、不毛な正史・偽史論争に明け暮れる正統学会及び、いつまでも黒歴史にすがり続ける呪われし者達へ向けた深い呪詛には、戦慄すら覚えるほどである。まさに本書こそが、現在の正統黒歴史学説に疑問を持つ全ての者にとっての、新たなる闇のバイブルであると言えるだろう。
スウィネン社創業主の両親である、ウマスィーとアナジャに捧ぐ。
「真実」は、必ずしも「事実」とはイコールではない。
「聖書は全て真実」と信じる人に対して、「奇蹟の記述は事実ではなく、何らかの寓意を表した物にすぎない」と言ったところで、会話は成立しえず両者の主張は永久に平行線でしかない。つまり聖書の記述はそれを信じる者にとっての「真実」であり、古事記その他も然り、UFO問題も然り、そして黒歴史に関しても然りである。
歴史は「事実」であるから必ず正解がある。しかし、歴史でさえ事実より虚構、すなわち真実が優先される事は数多く、ちなみに歴史教科書で「人類で最初に宇宙に行った男」は今も昔もイリューシンではなくガガ―リンである。21世紀中頃に、定説を否定する確実な証拠が発見されたが、一時騒がれたものの、すぐに誰もが口を閉ざしてしまった。事実が再度闇に葬られた理由は「誰も常識が変わる事を望んでいなかった」ためである。事実は真実に負けたのだ。
つまり、歴史でさえ年表を書き換える事が不可能であったのに、黒歴史年表がその「真実」を書き換える事などが果たしてありうるだろうか? 無論、あえりえない。まあ可能性自体は全くのゼロでもないだろうが、少なくとも私がそれをこの目で目撃する事はない、という事だけは断言できる。
黒歴史の数々の科学的矛盾に対して、「見てみぬふりをする(タブーとして遠ざける)」のが黒歴史研究学者の取る対応である。しかし、「宇宙世紀の物理法則は現在のそれとは異なっている」と言う声は多くても、それが具体的にどう異なるのかとを考える人を、筆者は寡聞にして知らない。現在では既に聖書解釈自体が事実上の聖書の一部と化しているため、これに反する考えはバチカンライズの方針に背く物、すなわち悪魔の所業である。そして、物理法則の否定も同時に、許されざる物である。よって我々が黒歴史と上手く付き合っていく方法はただ一つであり、すなわち「タブーに関しては一切考えずに思考停止する事」に他ならない。
だが、私は通常の歴史研究的スタンスは取らず、ミノフスキー粒子関連の重大な事実が隠蔽され、記録から完全抹消されている事が、黒歴史物理法則説明のつかない矛盾の多い原因であると考えている。無論、これは異端の立場であり逮捕されれば極刑に処せられるであろうが、幸いな事に老いたる私に残された時間は既に残り少ないため、いつの日か後に続く物が一人でも現れる事を願い、危険を承知でタブーに挑む事とした。まあ、仮にその日か来るとしても、少なくとも数万年は先の事であろうが・・・。
なお、本書の内容は「歴史学問上で誤りで事実に反する」物であるが、筆者の脳内においては真実に近い物であるため、これに同調される事は本意ではあるのだが、決して無批判に信じてはならない。また、筆者の力不足ゆえ多くの誤りや考え違いも多く残されたが、「良くない論」と記した上で、後世に必ず訂正されるべき部分として、あえて残す事とした。よって、後に続く物がいたとしても、決して本書の誤りまでも引き写す事はしてはならない。本書がもしも聖書になってしまった場合、私は墓地から「誰だよそんなデタラメを言ったのは?あ、俺か」とわざわざ化けて出なくてはならないため、それだけはくれぐれも避けて欲しい。
「世の中、そういう事になっている」という言葉からは、何も生まれはしない。だから私は、「いや、自分はこう考える」と本書の内容を根こそぎ吹き飛ばす新たな妄想が出現する事を、暗い墓穴の中から何よりも望み続けている。
2005/4/14追加
地球を救った伝説のヒーロー・アムロ・レイの操縦するνガンダムが、落下するアクシズを押し返した際の角度が、物理学に反していると指摘される事は非常に多い。アクシズを減速すれば単に落ちるだけであり、逆にアクシズの後ろ下方から加速させて大気層上層でバウンドさせる事が必用である。つまり、アムロは物理学的に正反対の事を行ったのである
しかし、そもそもエンジニアとしても優秀だったアムロが、物理学の初歩を忘れるという事は考え難い。また、もし万が一、シャアとの戦いで冷静さを失い判断を誤ったのだとしても、敵のパイロット達までもが、自らの命を顧みずに協力するという事は到底考えられない。つまり、例えゼロに近くてもわずかな可能性があったからこそアムロは命を捨てた賭けに出たのであろう。
筆者の考えでは、アムロは確かに減速はしたもののそれは微小な作用にすぎず、その真の目的はアクシズを大気以上の力でバウンドさせるための力、すなわち見えない固体の様な力場を作り出す事にあった、というものである(なお、サイコフレームがその力場を増幅した可能性は高いだろう)。
またこの固体とは、この時たまたま作った特殊な物などではなく、常時MSが発生させているフィールドだと考えられる。おそらくはMSが使うバリアーの様な物であろうが、νガンダム一体でアクシズをバウンドさせる事ができた事から相当強固な物であり、「フィールドが空間に固定され、実体の如く存在する」と考えて間違いないだろう。なお、ここではMSはバリアーを持つと考えたが、それはあくまでオマケとしての機能であり真の目的は別に存在しているのだが、それに関しては追って説明を行う事としたい。
「AMBACだあ? 全く誰だよそんなデタラメを言った奴は」
「何をおっしゃるんですか、AMBACを“発見″されたのは、かつてマイノリー書房のセンチュリー編纂に携わった博士自身ですよ」
「・・・えっ?」
(2005/4/14追加)
AMBACシステムが物理法則(角運動量保存則)に反している、すなわち「大嘘」であった事は、最近は誰もが知っている話である(もっとも、物理法則の方こそが間違いだとする考え方も多いのだが・・・)。しかし、ウソがあれほど丹念に流布されたという事は、そこに人々の目から遠ざけたい大きな秘密が存在した事の証明に他ならず、それすなわち、MSが人型であった事の真の根拠である。
ただ、AMBACシステムが大嘘とは言っても、ア・ポジモーター(※)を使わずにAMBACで角度を変える事自体は不可能ではない。原理自体は真実であり、振る腕に関節が二個以上あればベクトルを変える事ができるからだ。ただし、MSの形状をしたマシンでは、元の姿勢に復帰した時のベクトルの変化が小さすぎるため、事実上姿勢制御にはごくわずかしか役に立たない。つまり、AMBACの原理自体は存在する(角度をわずかに変える事はできる)が、MSがそれによって一瞬で姿勢を転換できるというのがウソなのだ。という訳で、実際に可能なのはせいぜい一時的に姿勢を変えて背中と足裏のスラスター位置を変えたり、体を丸めた状態でバーニアを吹かして回転した後、四肢をピンと伸ばしてストップさせる・・・といった程度であろう。
またそもそも、AMBACSystem、すなわち「能動的質量バランス自働制御機構」の語自体に、「姿勢を変える」といった肝心の意味合いが入っておらず、これではまるで「航空機はバランス自動制御装置で角度を変える」と言っている様な物である。つまり方向舵の意味合いを持たせるには「能動的質量移動による姿勢転換」を意味する言葉でなくてはならない・・・そう、元々AMBACとは姿勢制御という意味とは別の物であったと考えられるのである。
しかし、MSが手足を振り回す事で姿勢制御を行う事が可能であるのは、どうやら事実の様である。「ガンダム・イボルヴ」や「ガンダム・ライド」と呼ばれる映像において、時折MSが宙を蹴る様な変わった動きで姿勢を変化させており、それがAMBACであると解説されているためだ。だが、この動きがセンチュリーで解説されたAMBACのそれとは大きく違っており(もともとAMBACシステム自体が虚構なので当然ではあるが)、センチュリー解説(すなわち現在の全ての公式解説)を大幅修正する必要がある事は必至だが、そもそもいかに動いたとてどうにもならないという大問題がある。しかし、ここで、先のアクシズを押し返した「壁」の存在を思い返して頂きたい。そう、MSに「宇宙空間に壁を作る事」が可能であるならば、AMBAC(とされる動き)は肯定できるのである。
なお、アンバックが民間人を騙すために流布された嘘であるにもかかわらず「AMBAC
System」のマーキングがなされたデモ機を頻繁に目にする事が多い事に関しては、AMBACには真の知られざる三つの意味があるためである。その一つは「能動的質量打撃による宇宙巡航/Active Mass Beating AstroCruise」であり、「アンバック機動」とは通常これを意味する。また、「精密な機体バランス&角度制御/Accurate Move Balance & Angle Control」という物もあり「アンバックユニット」という言い方の場合はこちらを指す。そしてもう一つは、これらの大元となったもので、アンバックとは発音をそのまま発声した「UN-BACK」がその語源である。元々unbackとは、「バックが無い、バックしない」という意味であるが、言葉の意味自体を封印されたのは、これこそがMSが最強の宇宙兵器たりえる秘密だからである。つまり、通常なら目に見えるべきバックである地面や壁が存在せず、バックしないという事は前進を意味している・・・すなわちMSは、宇宙空間に作った目に見えない壁を蹴る事によって進むのである。良く「MSのプロペラントは無限だが、機体の一体何処に入っているのか全くの謎」と言われるが、そもそもスラスター自体が単に補助的な物でしかないのならば、少量しか積載できなかろうが問題にはならない。
ちなみに、公式映像におけるガンダムとシャアのザクの宇宙戦闘で、ザクがまるで地面を蹴った様に横に跳ねる動きが見られるが、これこそが宇宙空間を蹴って推進している事の証拠である。ちなみにシャアのザクは通常のザクに比べて推力が30%アップしているが、それだけでは通常の三倍のスピードで敵に迫る事などは到底不可能である。つまり、ザクの脚力を増して蹴る回数を増やす事で、シャアは三倍の速度を得ていたのである。
2005/1/13追加
※「アポジモーター/Apposi-Motor/apposition Motor」
機体に並置(apposition)されている事から、そう呼ばれる(商標であると書いた資料あり)。なお、筆者は以前より「ア・ポジモーター(Auxiliary
Posigrade Motor/A.P.M.)」が由来と考えており、他に「Active positioning Motor」を唱える研究者(カーン・レプラ氏)も存在するが、「モデ・グラ89-11地層」から「最初に付けられたスペル」である事がほぼ確実と思われる文献を発掘した事により、これを決定的と見て自説を修正した。
では、いかにしてミノフスキー固体(ミノフスキー・ソリッド)を作るのかを解説する。筆者の独自に知りえた情報によれば、MSはまず足の裏からプラズマと共に「スカラー波(Pウェーブ、プラズマ波)」を放出する。だが、それだけではまだ固体化現象は発生せず、これを起こすためには、そこに向けて外部から物理的な力が加わる事が必須条件である。その力が加わった瞬間に、反ダイラタンシー現象が起きてミノフスキー結晶配置が変わり最密充填状態となり、体積が縮まった事により影の時空に潜む真空エネルギーが3次元空間に一瞬の間押し出され、透明な踏み台となるのである。また、足だけではなく掌(もしくは肘、シールド等)でスカラー波を放出しつつ「張り手」をする事で、急停止や方向転換も可能である(ただし、このキックや張り手は非常に高速で行われるため、公式映像においてそれを確認する事は極めて困難である)。
ただし、ミノフスキー走行にも大きな欠点が存在する。高速に移動すると地面が後方に逃げてしまい、蹴る事ができなくなるのだ。これでは敵艦を攻撃する事など到底不可能である。上限はMSで最高の速度を有したシャアのザクの宇宙走行速度マッハ2で(通常のザクは時速760km、ガンダムは980km)、それ以上はミノフスキー走行は適さない。ミノフスキー結晶空間はその性質上、地球−月圏の空間に絶対静止(ラグランジュ点は全体がゆっくりと回転)しているために、ミノフスキー走行が有効なのはごくわずかなスピードでしかありえないのである。
だが、速度自体は艦よりも下回っていたにもかかわらず、無論MSは敵艦を攻撃できた。どういう事なのかと言うと、大量のミノフスキー粒子を発生(※)できる艦の周囲では、その艦と同じ速度が相対的静止状態となる。要は、艦の周囲の空間にはミノフスキー追い風が発生するため、これに乗っていれば、何もしなくとも艦と同じ速度で慣性移動(通常はミノフスキー抵抗により不可能)できるのである。すなわち、MSが空母ではなく巡洋艦や戦艦に搭載されるのはこのためなのだ(一般的にはMSの航続距離の短さのためとされているが、ソロモン戦やア・バオア・クー戦で、ガンダムは無補給で戦闘を続行した事から、この説は眉唾であると考えざるを得ない。また、MSが推進剤切れで戦闘不能となった例は無く、MSの航続距離は無限と考える研究者もいるほどである)。
公式映像において、MSや艦船がスラスターを停止させると、そのままの姿勢で何も逆噴射をする事なく「静止」する。また、慣性移動といった概念はなく、ほぼ常にスラスターノズルを作動させている。また、公式映像において「装甲が厚くてもこれだけ近ければ・・・」や「ダメか・・・ならば接近して・・・」という風に、より近づく事で敵の装甲が破壊しやすくなる事を示す箇所が比較的多い。だが普通、銃弾を5mの距離から受けた場合と、50m先から受けた場合で弾丸の速度はほとんど変化しない。つまり、距離で破壊力に大きな差があるという事は、減速作用、すなわちミノフスキー抵抗の存在を意味しているのである。
ミノフスキー粒子の充満した空間においてはミノフスキー気圧が発生しており、MSのパイロットが減圧を一切せずに、薄いノーマルスーツでも何ら支障なく宇宙空間で活動できるのはこのためである(ただし戦闘濃度でも1気圧にまで達する事は少ない)。「ミノフスキー抵抗」が起きるのは、これと微弱な自然スカラー波による物であり、運動体は抵抗受ける(抵抗力は大気と同様、速度に比例して増大するため、より高速の物体ほど多くの抵抗がかかる)。この抵抗がどのくらいの力なのかというと、宇宙一の科学力を持つジオン公国が技術の粋を尽くした砲であるザクマシンガンの弾速を、秒速200mにまでも減速してしまう程である(史料では初速が秒速200mとされているが、これは連邦軍が旧来の方法を使って割り出した値であろう)。ちなみに、公式映像においても射撃から弾着までには多くの時間を要しており、速度のあまりの遅さに対しては疑いを挟む余地はない。
なお、この現象により、運動兵器はその速度を削がれてしまい、それと同時に、粒子濃度差の影響で進行コースが複雑にずれてしまうといった問題が発生する(つまり、至近距離での射撃でなければ効果が薄い)。また、微細小惑星を使用した攻撃(サテライトアタック)も困難となったため、ジオン側はルナツーから本国への質量弾攻撃から逃れる事ができた。しかし、逆にジャブロー等を狙った隕石落とし作戦も、多くは軌道を外れて無人地帯に落下するか、セント・アンジェ等の田舎都市を崩壊させる程度にとどまってしまったのはジオン側の誤算と言えるだろう。
また余談であるが、可変モビルスーツが宇宙戦闘機の様な形状に変型する理由は、ステルス性を上げるための他に、この抵抗を低くするためである(変型した機体の各所に突き出たスタビライザーは、魚のヒレの様な役割をする物であろう)。しかし、粒子濃度が低い宙域においては、ステルス形状と高速性(ミノフスキー抵抗を受けにくい)を有する宇宙戦闘機の形状は有効であったが、戦闘規模が拡大して全宙域の濃度差が高くなってしまえばさして意味がないため、可変MSがその姿を消していったのは必然だったと言えよう。
ガンダムよりも厚いと言われるガンキャノンの装甲は、リックドムのジャイアント・バズの直撃にすらも耐えたが、何とザクマシンガンを受けて脚を破壊されてしまった。また、グリプス戦争時の公式映像において、MSにビームが直撃しても無傷の場合と致命傷となる場合とがある。これは今まで謎とされてきたが(耐ビーム反射コーティングいった理由だけでは説明が付かない)、単にバリアー作動時と非作動時で防御力に大きな差があるためである。ミノフスキー粒子はMSのキック力で固体化するのだから、実体弾によっても当然固体化する。すなわち、全てのMSがバリアー能力を有しているのである。
だが無論、MSがバリアーなどを持たない事は今までの常識であるが、バリアーが存在すると考えると、多くの矛盾が説明できるのもまた事実である。例えば、ガンダムの装甲がザクマシンガンの至近距離からの直撃に耐える事は良く知られるが、シャアのザクマシンガン連射に耐えたはずのガンダムの頭部カメラ部が、ランバ・ラル隊のザクの指で軽々と潰された事実と明らかに矛盾する(ザクの指がマシンガン以上の力を持つ可能性については、トンデモとしか考えられないため考慮しない)。
よってこれを合理的に考えると、稼動時のガンダムは装甲の強度を増加する事が可能であったか、あるいはバリアーを有していたという二つの仮説が導かれるが、可能性がより高いのは後者である。なぜなら、ガンダムの腹部にザクマシンガンの直撃が当たって弾頭が爆発した際、ガンダムの装甲がいかに硬かろうと衝撃力はそのまま伝わりパイロットはただではすまず、また機体も起き上がろうとする姿勢を保てずに、背後に強く叩き付けられたはずである。つまり、弾頭は機体に当たってはおらず、装甲の手前で阻止されたと考えられるのだ。
ただし、バリアーは自分が動いている方向に張った場合、自らがそれに激突して静止してしまうといった大きな問題があるため、MSが宇宙空間で常時作動させる事はできない(リックドムがバルカン砲ごときに蜂の巣された事があったのはこのためであろう)。ただし、生成自体は一瞬でできるために、敵の放火を確認後に上手く張れば、激突のリスクはあるものの大抵の運動弾は防御できる。
ちなみに、それまでの常識で考えれば、バズーカ弾やミサイルは直撃させずとも至近距離で爆発させて充分に効果があるはずだが、「公式映像」に見られる通り、実際には直撃でなければほとんど効果が無いのは、このバリアーによるものである。なお、爆発によりミノフスキー衝撃波が発生して機体を大きく吹き飛ばす事があるが、これは無論、爆発がバリアーやミノフスキー粒子を急激に圧迫した事により発生した圧力である。また、ザクマシンガンを発射する際に微力なスカラー波を発生させる事で、銃弾の威力がやや落ちる事と引き換えに周囲の空間が固定されるため、自らの銃の反作用を相殺し、小出力のバリアー能力を得る事ができ、最低でも連続5秒間(ザクマシンガンの連射時間)持続させる事が可能である。
なお、このバリアーは一年戦争以後にも性能が強化され、実体弾だけではなくビームすら跳ね返す事が可能なまでに進歩したであろう事は、グリプス戦役の「公式映像」において頻繁に見られる通りである(Zガンダムのハイパーバリアー現象は、元より有していたバリアーが出力の異常上昇によって強化された物と思われる)。
(※)MSがミノフスキー粒子発生力を持つか否かは不明とされるが、平時に突如MSが単体で出現して強力な戦闘力を発揮するといった事は多いため、粒子の発生は可能であると考えてまず間違いない。なお、「0083」における大陸上の残留ミノフスキー粒子についても、主にジオン残党の使ったMSが発生させた物であろう。
MSは、逆スカラー波を放出してバリアーを相殺する能力を有している。よってこれにより、敵MSのバリアーに何ら弾かれる事な。殴る、蹴る、プラズマソードやプラズマアックスを叩きつける、といった事が可能である。なお、ミサイルやバズーカ弾は大抵、瞬間的な逆スカラー波放出能力を有しており(ただしタイミングが外れると効果無し)、ハイパーハンマー等も同様に逆スカラー波の放出が可能である。
有名な、マイクロ波までの電波を妨害する作用であるが、単にそれだけである。放射線を防護するという説もあるが、黒歴史の父・トミー教授はかつての自説に対して否定的な発言をしており、筆者もそれに同意である(ただし、ザンスカール戦争時にはジャマー能力が増大し、赤外線や赤色光の妨害が可能であったとも言われている)。
なお、定説を覆す事になるが、MSは艦船(完全なミノフスキー・ステルス能力を有していたと思われる)に比べて隠蔽能力がかなり低い。レーダーが封じられてもMSを発見するための手段は多く、慣性移動は「ミノフスキー抵抗」によりできないので、エンジンを停止したままでこっそり敵に近づく事なども不可能であった。
※この項は大幅修正予定です(理由は年表の「時空兵器」関連を参照)。
ミノフスキー粒子がコンピューターへの妨害現象を起こす事は有名だが、公式映像や記録において、それが語られた事はなぜか一度も無い。本来ならば、ペガサス級の様な船が動けば、当然周辺一帯の通信は麻痺し全コンピューターが停止、大パニックが発生するはずなのであるが・・・。よってこれに関してはまだ不明な点が多いため、更なる発掘の結果を待ちたい所であるが、一応筆者は妨害現象は実在する物として考えている。
粒子はその性質上、金属や炭素などの導電性物質内部には浸透しにくいが、ごくわずかの量がどういう訳か金属シールド(完全防護装置は非常に高額なため、MSや戦艦のみに使われた)をくぐりぬけてしまい、それがコンピューター処理速度を大幅に低下させ、西暦1970年頃の演算性能にまで落としてしまうのだ。
しかし、それでも小型ミサイル等のコンピューターは、性能が低いながらも正確に動作していたと筆者は考える。その理由は、撃ち放しのロケット弾とされているハイパーバズーカやザクバズーカの命中(直撃)率が非常に高い事である。すなわち、大型ミサイルの持つ追尾装置(ムサイのミサイルは実際に弾道を変化させた)はバズーカ弾にも内蔵され、自律もしくはMSからの誘導が可能であったと考えられる。だが、にもかかわらずミサイルが戦場の主役にならなかった理由は、単にMSの運動性がミサイル(化学ロケット)を凌駕していたためであろう。
また、宇宙服の内蔵コンピューターが機能障害を起こしたという記録は残っていない事から、おそらく機能的には、短時間ならばコンピューターの能力が低下しても問題なく作動できたのであろう。ただ、アムロ・レイの作ったロボットであるハロは、ア・バオア・クー攻略戦時の白兵戦でも正常に機能していた様であるが、それならばこの戦闘時に軍用ロボットも機能できたはずである。ハロ並みの知能と、至近距離で味方兵の識別電波を認識できれば良いので、人手不足のジオン軍がロボット兵を用いないとは考え難いが、発掘記録には何ら発見されていない。また人間型アンドロイドやサイボーグ技術も存在せず、サイド6のリボーの研究所等でいまだ研究中である(このため宗教上、倫理上の問題から封印されたとも思えない)。つまり宇宙世紀には事実上、ロボットがハロしか存在しないのであるが、流石にこの問題だけは解決の糸口すらも見つけられなかった(筆者に残る短い余命のうちに解明できるとも思えないので、後世の研究者に期待したい)。
元々「宇宙戦闘機」という物自体は、ミノフスキー粒子発見以前はナンセンスな物であった。パブリック、ガトルにせよ、要塞攻略用ミサイルキャリアー(宇宙空間ではミサイルは大きな方向転換ができないため、艦から見えない目標を狙う事はできない)としての用途が主であり、敵艦に立ち向かうという使われ方は想定されていない。また、セイバーフィッシュの場合も地球高軌道上という限定された戦場において能力を持ちえたにとどまっていた(本機の姿は大戦後期には影も形も見られない事から、大半が撃墜されたのであろう)。
とはいうものの、コア・ブースターがMSとほぼ同等の宇宙戦闘性能を有していたと言われる点に関しては、流石の筆者も頭を抱えざるを得なかったが、おそらく「ミノフスキージェット」による物であろうと睨んでいる。その名の通り、空間のミノフスキー粒子をインテイクから取り込んでジェットの様に噴射する物で、翼はミノフスキー・エーテル流を制御するヒレとして機能する。なお、ジオン軍のMAエルメスは純宇宙用機であるのに巨大なエアーインテイクと翼を持っていたが、これは無論ミノフスキージェットを行うためである。
艦の左右に壁を作り、タイヤを使い移動する物(固体化力の発生のため、タイヤには大きな溝が必要)。高速を出せる上、加速は緩やかなので戦艦に適した方式であるが、側面の固体化はエネルギーロスも多く、長い間実現には至らなかった。なお、他の推進方式としては、ピストン推進(アッザム)、スネーク推進(ドッゴーラ)、フィッシュ推進(マーメイドガンダム)等が存在する。
コックピットの内部をミノフスキー粒子で満たし、衝撃のかかった瞬間に内部を高気圧化して、まるでコックピットが水で満たされているかの如くの耐ショック防護を可能とした物。通常時でも気圧は高めに設定されており、ノーマルスーツがまるでダイバー服かボディコンスーツの如く、パイロットの体のラインをピッチリと見せるのはこのためである。
なお、シャアの場合はノーマルスーツ無しで操縦を行ったため、肉体の内部にまでミノフスキー気圧をかける事が可能であるというメリットを享受できた。唯一彼にそれが可能だった理由については、まず肉体を強化改造して、更に東洋に伝わる神秘の呼吸法を会得した事により生身で気圧差に対応、その上で目にカバーと耳栓をして耐Gウェア(普段の軍服自体がそうである)を着ていたため、と考えて間違いないだろう。また、単に衝撃を減ずるだけでなく、わずらわしい宇宙服が無い事により操縦しやすさの格段の向上を得るという利点もあった様である。
一般的に、「公式映像において爆発音や敵のビーム発射音がするのは、パイロットにわかりやすい様にコンピューターが合成しているためだ」という解釈がなされるのが常だが、宇宙空間を音が伝わっていた事の確たる証拠が存在する。公式映像「めぐりあい宇宙」において戦艦の乗員が「ラ・ラという音をキャッチしました」と報告する箇所があるが、もし音が宇宙を伝わらないのならば「艦内にラ・ラという謎の音が発生しています」か、あるいは「乗員の大半がラ・ラという幻聴を聞いたそうです」という報告になっているはずである。なお、この報告をした兵が心身に異常をきたしていた可能性は薄い。もしそうならば、報告の後にすかさず「音がするだと・・・大丈夫か?」と返されているはずだからである。
この「ラ・ラ」という音に関しては、エルメスはこの音を発する事でビットと音声通信を行っていたと考えられるが、映像で見る限りは連邦軍側が音の発信源を探知しようとはしていない点から、「音の発信源の特定は元々困難」であったと推測される。戦闘宙域におけるミノフスキー粒子は、大気中や水中の様に密度は一定ではなく濃度差が非常に大きいため、おそらくこれが音の屈折や反響を引き起こしてしまうのだろう。つまり、ノイズが多すぎて探知には使えず、通信に使うにも情報の正確な伝達は困難であったが、エルメスの「ミノフスキー通信(技術の詳細は非公開)」において始めて高度な情報伝達が可能となり、遠隔誘導への応用が可能となったという訳である。
なおちなみに、音の伝達の速度は、大気中よりもずっと速い物と思われる。その証拠は、いかなる映像中においても、銃の発射と同時に発射音がするためである。
黒歴史においての真の公式事実は、唯一「公式映像」のみである。そしてこの映像においては宇宙空間は全てが青く見えるのだが、これは当然ミノフスキー粒子の影響の一つである(色に濃度差があるのは、粒子濃度が均一でないため)。また、粒子は消滅する際に発光して、それが星の様に輝いて見える現象もあり、これを「ミノフスキースター」と呼ぶ。通常、写真やビデオ映像において、明るい物体がある場合は星の光は見えないのが常識だが、公式映像において星が常にしっかりと映っているのはこのためである。また、公式映像ではMSや戦艦が移動すると背後に星が流れるが、カメラを移動させない限りは背景の星が動く事は絶対にありえない。つまり、宇宙に満ちていたのは星ではなく、ミノフスキースターの輝きなのである(星の光も無論存在するが、空が青くなるため等級の低い星の多くが見えなくなる)。またこのため、宇宙空間であっても強いコントラストが発生して黒い影がくっきりと浮かぶ事はなく、艦船であれモビルスーツであれ、全体の形をそのまま視認する事ができる。
なお、この「明るい宇宙」においては、装甲の明度を宇宙空間と同じに低下させる、装甲の明度調整機能が隠蔽効果を発揮する(エッジ部分が黒ずむのが特徴物で、通称マックスペイントと呼ばれる)。ザクの場合では、公式映像では明るい色をしているにもかかわらず、立体を撮影した写真ではほとんどが暗いグリーンであるが、これは映像中では装甲の明度が補正されているためである。
裏話(というか言い訳)「ミノフスキー走行」 |