バーザム黒歴史-5


このページの内容は、「機動戦士ガンダム」の公式設定です。

 「黒歴史 言ったモン勝ち まさにコレ」

バーザム黒歴史-1 バーザム黒歴史-2 バーザム黒歴史-3 バーザム黒歴史-4 バーザム黒歴史-5
バーザム omake バーザム2011 バーザム 2011-2 バーザム 2012


2012/8/30
■"空白"という設定

 表に「全高」と「頭頂高」を加えました。ここで重要であるのは、記載が存在しないというのも設定である可能性がある事です。おそらくガノタ界では聞いた事の無い考え方かと思いますが、数学におけるゼロの概念の様に重要な物であり、私はこれを「ボイド設定」と名づけました(詳しくは後日「キシリア問題」において解説予定)。なお、ボイドは設定としての「力」を何ら持ちえない脆弱な物であるのが特徴です。

 「○」…記載あり
 「 」…記載無し(ボイドA)
 「−」…(ボイドB、ファクトファイル14号のみ)



2011/3/28 (2011/3/29改稿 2012/8/30改稿)
■墓掘れワンワン


T2出版『MSパイロット名鑑【グリプス戦争編】』より。何と股間部はスラスター! あとRMS-152って何ソレ!


 ケイブンシャ『全モビルスーツ大百科』より。表紙カバーの下のハロといい、バーザムだけでなくメタスをもガンダムタイプとしている事といい、あなどれません。


 アニメージュ文庫『機動戦士ΖガンダムHAND BOOK 3』より。'93年にしては「後付け史実無視」ですが、もしかしたら放映当時に編集がなされたのが諸事情で凍結されて8年後に陽の目を見たのかも・・・実際どうなんでしょ?


■【史実の】バーザム設定墓掘り【羅列】

(2011/3/29 (BIBLE、総括編の二冊を追加等) (2012/8/30 全高、頭頂高等追加)

出版元 史料名 系譜 性能 全高 頭頂高 体躯、重量 生産性 発行
角川書店 月刊ニュータイプ 85年12月号 × ハイザック等にかわる新たな支援用MS こまわりかきく         85-12
バンダイ ビークラブ 3号 × 簡易生産型汎用戦闘タイプ   〔40.1t/62.3t〕   85-12
近代映画社 ジ・アニメ特別編集 『機動戦士Ζガンダム PART 2』 ハイザックの後継機   〔40.1t/62.3t〕 ネモ以上のコストバフォーマンスを誇る 86-1
角川書店 (月刊ニュータイプ86年3月号付録)GUNDAM ΖΖ BOOK ×       〔重量:62.3t〕 ローコスト 86-3
大日本絵画 モデルグラフィックス別冊「ガンダムウォーズ プロジェクトΖ (※模型作例の解説) ガンダムMk-IIの設計をベースにしていたとされる   〔40.1t/62.3t〕   86-3
近代映画社 ジ・アニメ特別編集 『機動戦士Ζガンダム PART 3』 ハイザックに換わる新型量産機   〔40.1t/62.3t〕
コンバクトなボディ
  86-4
ラポート 機動戦士Ζガンダム大事典   マークツーと互角に戦える 〔40.1t/62.3t〕   86-8
ホビージャパン 月刊ホビージャパン'86年10月号
(連載「MOBILE SUIT IN ACTION "ジオンの星"」)
× 本来宇宙間の戦闘において可変MSと対抗し得る機動性を持つ、汎用量産機として開発された機体である。

(※RMS-154R(01) バーザムコマンダーカスタムの小説) 「ジオンの技術力が生かされた、お馴染みのRMS-106やRMS-108と比べると、試作機であるRX-178系の流れを汲む機体のようだ」
その試作段階では地上でのテストも行われたが、その結果、良好な運動性を得るにはかなりの改修を必要とする事が判明した。 (※コマンダーカスタムの解説) [35.1t/46.3t][出力1810kw] [姿勢制御バーニア:10基] [センサー有効半径:13700m] [武装:バルカン砲, メガ粒子砲(出力5.4MW), 連射リニア・レールガン] (※コマンダーカスタムの解説) ツノ状の物は(中略)強力な複合センサー・ユニットである。その性能に比例してコストも高いため、一般将兵にこのユニットが支給される事は無い。 86-10
角川書店 ニュータイプ別冊100パーセントコレクション「機動戦士Ζガンダム メカニカル編2」 ハイザックに替わる汎用性の高いMS   〔40.1t/62.3t〕
極端に軽量化、
省力化が図られている 86-11
ホビージャパン 「機動戦士ガンダムZZ“モビルスーツ・イン・アクション″」 86年10月号と同じ   86年10月号と同じ   86-12
バンダイ  ΖΖ&Ζ保存版設定資料集 × 汎用戦闘タイプ  
〔40.1t/62.3t〕
  86-6
ホビージャパン ホビージャパン・ゲームブックシリーズ「機動戦士ガンダムZZ3・エニグマ始動」 ×   もともと、機体に比べて大きすぎる動力系を積んだバーザムの設計にはむりがあったのである。バランスを崩す一因になっていた異様にふくれた胴もそのためである。         87-10
バンダイ MS大全集 RMS-79R に代わる連邦軍製量産機 マラサイと並ぶ高性能機   〔40.4t/62.2t〕 コストパフォーマンスの高い機体 88-2
バンダイ 新MS大全集(改訂増補版) RMS-79R に代わる連邦軍製量産機 マラサイと並ぶ高性能機   〔40.4t/62.2t〕 コストパフォーマンスの高い機体 88-10
大日本絵画 モデルグラフィックス別冊『ガンダム・センチネル』
(※カトキ版の解説)
設計はRX-178ガンダムMk-Uをベースとしており、腕、脚、バック・パックなどにそれが色濃く伺える。(中略)最終設計はニューギニアの旧ジオン公国系スタッフの手によりまとめられた。
(※カトキ版の解説)
汎用量産型としては非常に高性能機(略)ガンダムMk.Uのアビオニクスを流用した為に運動性は高く、
    (※カトキ版の解説)
〔40.10t/62.34t〕
〔頭頂高:19.38m〕
〔推力20,300×4〕
[姿勢制御バーニア:8基] [固定武装:ビーム・サーベル×2(出力0.9MW)]
(※カトキ版の解説)
生産性の向上とコスト・ダウンを主眼に置いている
88-9
バンダイ MS大図鑑 RMS-79Rに代わる量産機   〔40.4t/62.2t〕 コストパフォーマンスが高い 89-3
大日本絵画 ガンダムセンチネルRPG × Mk-Uの簡易量産型との中庸で、ガンダムMk-Uのパーツを流用しており、 極めて運動性能は高く         90-4
ケイブンシャ 機動戦士ガンダム全モビルスーツ大百科 × ティターンズが採用した汎用モビルスーツ 集団の密集隊形からの攻撃を中心とする   〔40.4t/62.2t〕
軽量化が進んでいて
  90-5
ホビージャパン ホビージャパンEX 1990秋の号) × (※B&Kのガレージキットの作例)
ガンダムMk-Uに劣らない機動性と火器をそなえたMSとして開発された
          90-10
バンダイ 近藤和久『機動戦Ζガンダム』下巻 × (※近藤版の解説) ガンダムMk-Uに続くティターンズの汎用モビルスーツ。規格、機構などはガンダムMk-Uを踏襲         (※近藤版の解説) より構造などを簡略化し生産性を高めている 90-11
講談社 機動戦士ガンダム大全集   整備性が高く、運用効率が非常に良い   〔40.1t/62.3t〕   91-4
サンライズ THE OFFICIAL ART OF MOBILE S SUIT GUNDAM(※イラスト集の購入特典) × ジムUに代わる連邦軍の量産型モビルスーツ     40.4t/62.2t コストパフォーマンスが高く (中略)ティターンズ艦隊で最も多く使用され 91-8
バンダイ スーバーMJ ・機動戦士ガンダム・最新MS造形資料集 × 一般バイロットでも操縦できる汎用戦闘タイプ       〔40.1t/62.3t〕
姿勢制御バーニア4基
  92-9
ホビージャパン 近藤和久『GO AHEAD』 (※近藤版の解説) ガンダムMk-Uに続くティターンズの汎用モビルスーツ。規格、機構などはガンダムMk-Uを踏襲     〔40.1t/62.3t〕   93-1
徳間書店 アニメージュ文庫『機動戦士ΖガンダムHAND BOOK 3』 × 汎用戦闘型のMS 火力や機動性はMk-Uにも劣らない 〔40.1t/62.3t〕   93-10
メディアワークス 近藤和久『機動戦Ζガンダム』第3巻 × (※近藤版の解説)
RMS-114(※RMS-154の表記もあり) ガンダムMk-Uに続くティターンズの汎用モビルスーツ。規格、機構などはガンダムMk-Uを踏襲。頭部の羽根飾りはティターンズのシンボル、ファイティング・イーグルから
          94-6
サンライズ 機動戦ガンダム用語辞典(※イラスト集の購入特典) ガンダム系のコンセプトを受け継いだ量産機。 外見は大幅に異なるが、ガンダムMk-Uよりもすぐれた性能バランスを持った機体に仕上がっている。(中略)たしかにエース級のパイロットには最適の機体だったが、平凡なパイロットにとっては、かならずしも扱いやすい機体ではなかったようだ。       連邦は、GMの正式な後継機としてこの機種を採用したが、じっさいはすぐにGM系の機体に戻している。これは、GM系のMSの方がコストの面でも、性能バランスの面でもすぐれていた事を示している。 96-5
メディアワークス データコレクション4『機動戦Ζガンダム』下巻 ガンダムMk-Uを参考としているため、 基本性能は高水準   〔40.4t/62.2t〕 生産性も申し分なかったが、これといった特徴もなかったためか、本格的な量産には至らなかった。 97-6
メディアワークス 機動戦士ガンダム クロスオーバー ノートブックU 近藤和久画集2
× (※近藤版の解説) 量産型Mk-Uとして開発した。Mk-Uのムーバブルフレームを参考にし、汎用性を高めた。最新の技術も投入されており、 (※近藤版の解説) Mk-Uを圧倒するほどの戦闘力を秘めている   〔40.4t〕   99-2
ホビージャパン ガンダムメカニクス3 ガンダムMk-Uを参考としているため、 基本性能は高い。
可変MS・MSなどと比べると、格段に扱いやすい機体となっている。
〔40.4t/62.2t〕 生産性も優秀だったが、突出して優れている部分もない。そのためか本格的な量産までには至らなかった。 99-3
ラポート 機動戦士ガンダム 宇宙世紀vol.4 総括編 連邦軍がコスト面から量産を決定した集団戦闘用MS         製造も簡易 99-4
旭屋出版 TVシリーズ[機動戦士Ζガンダム]フィルムブック・パート2 × Mk-Uを量産仕様に設計した機体である(以下めんどくさいので略) 高い運動性能。
強度を増した機体構造
  (全高:19.4m)〔40.4t〕
大出力のスラスターエンジンを搭載した結果、全体としては軽量とは言いがたい機体となってしまった
コスト的にはジムUの1.5倍程度 99-6
ティーツー出版 機動戦士ガンダム MSパイロット名鑑 【グリプス戦争編】 × RMS-152
第2世代MSで、ガンダムMk-Uを参考に設計された量産機。(略)本来連邦軍所属の機体だが(中略)ティターンズに配備された。
通常の箇所の他に股間部や脚部前面に設置されたスラスターにより、高い運動性の獲得に成功   〔40.4t〕
  99-11
角川書店 機動戦士ガンダム エピソードガイド VOL.3 ネオ・ジオン編 Mk-Uをベースに開発された(中略)フレームの構造やパーツなどが共通のものになっている。(2012/8/30) 構造は若干単純化されてる分装甲などは強化され   〔40.4t〕
  99-12
メディアワークス MS大全集2003 RGM-79R に代わる連邦軍製量産機       〔Weight:40.4t〕
〔40.1t/62.3t〕(※資料内で数値が異なる)
コストパフォーマンスの高い機体 03-4
別冊宝島 僕たちの好きなガンダム『機動戦士Ζガンダム』全モビルスーツ&メカニック徹底解析編 × Mk-Uに使われた技術を応用して開発された、ティターンズの量産MS Mk-Uとほぼ同等の高い性能   〔40.1t〕   03-11
ディアゴスティーニ 週刊ガンダム・ファクトファイル No.14 ハイザックやジムUに代わる量産機となるべく開発された。(略)ガンダムMk-Uを参考に、生産性と他機種との互換性に重点を置いて設計されている。   〔重量:40.1t〕 本格的な量産体制に入る事はなかった。機体構造があまりにも従来のMSと掛け離れ(略) 05-1
講談社 Ζ BIBLE『機動戦士Ζガンダム-星を継ぐ者-』完全ドキュメント × ティターンズが開発した汎用MS。           05-6
メディアワークス MS大全集2006 RGM-79R に代わる連邦軍製量産機     (カラー頁 height:19.4m weight:40.4t)(白黒頁 頭頂高:19.4m 40.1t/62.3t)(※資料内で数値が異なる) コストパフォーマンスの高い機体 06-5
双葉社 ガンダムの常識 モビルスーツ大全 Ζ&ΖΖ&逆シャア編 × 機体のベースはガンダムMk-Uで、その簡易量産型として設計されている。しかし(略)     〔40.1t〕   09-7

☆…サンライズ編集 ◎…サンライズ監修 ●…サンライズ協力(人名表記あり) ○…サンライズ協力(人名表記無し) ×…表記無し

※グレーの段は、アニメの解説が主目的ではない物(漫画、模型媒体、ゲームブック)です。(2011/3/29追記)
※表紙において、「新MS大全集」は「サンライズ公認」の文字。「ガンダムメカニクス」シリーズには「サンライズ監修」の表記がなされています(前者は軽く目を通してる感じ、後者は普通に目を通している感じでしょうか?)。
※リストに欠けている史料に関しては、入手(or発掘)でき次第補完予定ですが、やる気はほとんどありません。

※おまけ「バーザムが載ってない本リスト」
○ケイブンシャ『機動戦士Ζガンダム大百科』…無し(番組前半まで)
○秋田書店『機動戦士Ζガンダムグラフィティ』…無し(番組前半まで)
○ケイブンシャ『プレイステーション必勝法スペシャル 機動戦士Ζガンダム』…存在抹消。
○ソフトバンク『機動戦士Ζガンダム設定資料集』…存在抹消。そもそもアニメの設定資料集ではない(オビ裏にのみ「PSソフトの攻略&設定資料集」と記述されている)。


■バーザムについてぼそぼそ

「股間部はスラスターの記述が実在! RMS-152新発見!」
 書名が「パイロット名鑑」であるためうっかり見逃していたのが悔やまれますが、定説が遂に覆りました。今までは「コマンダーカスタムにメガ粒子砲とあるのみ」とされていたので、バーニア派にとっては大きな援軍です(なおちなみに、別冊宝島に「メガランチャー用コネクタ説」が提唱されているものの、あくまで想像としての記述)。ただ、型式番号が「RMS-152」とおいしい誤植が新たな史実か記されているので、ガノタ学のお約束により「旧タイプバーザムがスラスターだった」という解釈も可能ではありますが。なお、「新発見」とは言っても単にグーグルで検索できないというだけにすぎませんが、「検索できなければ情報として存在しないも同じの法則」によりあしからず。

「二つの重量数値」
 '88年に〔40.4t/62.2t〕の謎のスペックが突如出現(無論誤植でしょう、しかしカラーページと白黒ページで重量が違うのって、一体…)したのは、生産途中より仕様変更ないしは改修が施された物と思われます。(2011/3/29修正)

「軽量化」
 という記述はあるも、スペックから見ればバーザムは比較的重い機体です。しかしイメージ的には軽く見えますし(鳥がモチーフになっているせいでしょうか?)、実際に軽いという記述もある訳なので、落とし所としてはやはり「軽いボディに重い(高出力の高推力の)エンジン」という所でしょうか。

「コンパクト」
 という記述はあれど、大型という記述は見当たらず。しかしスペックから見ると比較的大型の機体と言えます。とはいえイメージ的には、モノアイの大きさ及び全体のデザインから、小柄に感じられます。一応俺的な落とし所は、小柄でやや太めなバーザム 2011の通り。ガンプラ的には「模型は設定全高を守り、スレンダーなボディに小頭を乗せ、膝のシリンダーを縮めると脚が短くなる」という感じです(なお、私のスタンスとしてはスペック自体を認めないのですが、ガンプラは設定全高より低いとツッコミを受けてしまうので、妄想で大きくはしやすいものの逆は困難)。

「Mk-Uを参考に設計された云々」
 アニメ本編を侵害しないため、特に問題なし。ティターンズの他の開発機はブッとんだ試作機ばかりで参考になりません。よって消去法でMk-Uだけが残るため参考にされるのは当然ですし、「参考にはしたが出来あがったのは別物」との解釈で丸くおさまります。

「Mk-Uの設計をベースにした云々」
 まあ、「他にも色々加わったのだろうなあ…」と、想像する余地の残されている設定だとは言えるでしょう(表で省略した双葉社の記述の続きを読むと「お、わかってるなぁ」という感じでした)。

「豆知識」
 Mk-Uは放映当初、シナリオ同様に出版物でも「いらない子」扱いがなされました。しかし、バンダイ側が「失敗作めいた事を書かれるとプラモデルが売れなくなってしまう」と危惧し放映中盤にお達しが出され、以降その手の記述が控えられたそうです。という訳で、オサーンは「なんで量産なの?」となり、一方若い視聴者は「Mk-Uは高性能だから量産は当前でしょ」という傾向がある・・・のかもしれません。

「Mk-Uを量産仕様に設計云々」 「量産型Mk-Uとして開発云々」
 問題点は、そもそも型式番号がRMS-178ではない以上、Mk-Uの量産という時点でオサーンにとってはアレゲな事。まあ「アニメ本編で失敗作扱いのMk-Uを量産化する理由」などいくらでも後付けできるはずですが、失敗作である事自体がほぼスルーされているのは豆知識の通り・・・。しかし、なんにせよ物事には理由がありますから、このヘンテコな設定とて誰かが妄想したからこそ存在するのです。そしてそれが広まる(=信じられる)のは、ガノタが受け入れたからであり、ガノタにメリットがあるからです。

「全てが後付けであり、それが史実となった」
 表を見ての通り、記述に一貫性は見受けられません。もしバーザムにちゃんとした「サンライズ設定」があるのならば、記述はそのコピベとなるか、大きな影響を受けるはずですし、この様に根底から大きく変わるはずがありません。つまり、上の表の設定(数値除外)は全てが雑誌編集者による「後付け」であると思われます。サンライズが実際に目を通していたのは、おそらくスペックのみでしょう(多分伸童舎よる物かと)。
 サンライズに「設定を管理するという考え方」が出てきたのは'90年代中頃の事であり、それ以前は編集者や漫画家の自由な裁量に任せていたであろう事は、古い出版物を多少なりとも見れば明白です(無論現在では厳重にチェックされますが)。
 つまりは、昔のガンダム設定とは「言ったモン勝ち」であり、「活字イコール史実」。当時のガノタ界には考察のコの字もなく、誰も「その設定は誰が発した物なのか」を気にしませんでした。よってセンチネルが「プロジェクトΖ」の記述を重視したのは、自社である以上当たり前と言えます。センチネルのスタッフも気にせず、読者も気にしませんでした。そして、気にしなかった過去に続く結果が、現在です。
 ですが、私は現状を肯定します。そもそも架空の史実に正しいもマチガイもないので、過去の設定を断罪なりした所で、得る物はありません。黒き過去は歴史の闇へと葬り、未来に新しい歴史を加えればそれで良いのです。例えば、「Mk-Uを基本にするも平行して開発中のバイアランとかけあわせたらユニークな物になってしまった」とか、「実際にMk-Uの量産型と言えるのは後期型の方であり、型式番号こそ同じだが事実上は全く別の機体である」とか…。

「カトキ版の史実改ざん創造の瞬間を妄想する」
 いや、改ざんなどという大それたものではなく、おそらく設定の事など大して重要に考えていなかったのではないかと。
 「えーとさ、バーザムの設計がマークツーからってホント?」
 「確かにガンダムの本で見たから、間違いないはず。何だったかは忘れたけど」
 「そっか、活字になってるんなら確実に公式設定だな。んじゃ、デサインはMK-Uベースって事で一丁頼むわ」
 ・・・想像するにたぶん、こんな所ではないかと。そこに「歴史を改竄している自らが作っているという自覚」すら存在しないのであれば、私の行っている断罪などは所詮、帝国主義を現代の視点から一方的に悪だと批判する様な物にすぎないと言えるかもしれません。

「更にぼそぼそ」
○スラスターと書かれていようが、今後の出版物の記述がどうなろうが、バーザム 2011-2の通り私の脳内ではあくまで拡散ビーム砲であり異論は受け付けませんのであしからず。
○オフセット位置にスラスターだけは勘弁…センサーの方が(演出的につまらないが)まだマシです。
○バンダイは、いつの日かカトキ版の型式番号(公式化する際に必要)を作る、とこの場を借りて予言しておきます。
○「Mk-U量産型設定」があれほどに市民権を得ているのはなぜなのか。理由は無論、カトキ版が「萌え」たからです。しかも、モデラーにとってフルスクラッチに優しい「エコ設定」でした。そして萌え至上主義はオタク世界自体を支配し、センチネルの洗礼を受けた世代が設定制作側及び受け手側の双方へと回り…。よってこうなったのは、歴史の必然以外の何物でもありません。


2011/3/28作成
2011/3/29改稿
2012/8/30改稿(全高、頭頂高を追加)

 
バーザム黒歴史-4 Library

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