ミノフスキー粒子の超真相-4(暫定版)


このページは妄想のための妄想であり、
現実の「機動戦士ガンダム」の史実とは永久に無関係です。


2008/8/27
■「ザク開発者インタビュー」

サルでもわかるガンパラ教室


■「ミノフスキーホール」

 良く持たれる疑問として「宇宙艦艇に対してのモービルスーツは、水上艦艇に対しての航空機ではなく水雷艇にすぎない」という物があるが、ガンパラは「ミノフスキー粒子の超真相」における「宇宙走行理論」でこれに唯一(4年後の現在においても)回答を出した。だが、既にお気づきの方は多いとは思うがこれには重大な欠点が存在する。ズバリ言ってしまうと「艦の全体に多数の脚を付ける事は可能」である。すなわち脚を有する事はモービルスーツだけのアドバンテージとはならないため、よって記述のみを根拠とすれば「ガンパラ理論は破綻している」と言い切っても何ら過言ではないだろう。問題である事は当時からわかっていたものの、あえてそこに触れずにすませてしまったのは筆者の若さのなせる業である)。

 ただし、多数の脚を艦尾に集中配置する事及び、艦艇に巨大な脚を持たせる事に関しては困難である。ダイラタンシー効果とは「泥に圧力を加えると圧縮されて固くなる」という様な単純な物ではなく、その全く逆に周囲から水が集中する事によって固くなる物である。つまりMDF(ミノフスキー・ダインラタンシー・フェノメノン)おける空間固化現象は周囲の水=M粒子の充満する密度に依存するため、ある一定の規模以上でそれを起こしても効率は上がらない。つまりガンパラ世界における高濃度M粒子下ではモービルスーツの足の裏サイズが宇宙走行に最も効率が良い(という事になっている)ため、よって艦に巨大な脚を持たせたとしてもほとんど役に立たないのだ。また、艦の末端に大量にMSの脚を配置する事もこれと同様に効果は低い。
 しかし一箇所に集中して蹴る事ができないのならば、艦の全体に脚をハリネズミの様に大量に分散配置すればいいだけの事である。つまり側面に奴隷船のオールの如く、脚をナナメに大量に配置すれば、この問題をすり抜けて艦を「宇宙走行」させる事が充分に可能である。なお走行方式に関しては、脚をムカデの様に配置する他にも、ピストン(ビット、G-ON-G等で使われる)でもオールでもタイヤ…もとい水車の様な物でも良いだろう。

 理屈上「脚は艦船も持つ事が可能」であるという事は、すなわち筆者の考えが破綻している証拠である・・・と考えられてしまうのは免れないが、無論私の理論に間違いなどは存在しない。まあ説明が足りなかった点は否めないが、「脚付き艦艇」が実際には作られず(部分的に装備していた艦もあるとは思われるが)モービルスーツが天下を勝ち得た真の理由を、4年の沈黙を破りここに初めて公表する。
 高濃度のミノフスキー粒子の満ちた空間とはいっても、その密度は一様ではなくトンネルの様な真空の箇所が発生する(発生理由はわかっていない)。この「ミノフスキーホール(別称スペースポケット)」こそが、艦艇とMSを決定的に隔てる要因である。簡単に言うと、M粒子の雲どうしの間(ミノフスキー気流の接触面)にぽっかり開いた真空のトンネルの様な物で、モービルスーツ以下のサイズの機体だけが通れる「宇宙の抜け道」である。大型艦船が例え脚を付けて運動性能の向上を図った所で、ミノフスキー抵抗の前にせっかくの脚力の大半がムダになってしまうが、モービルスーツはホールを潜る事によってそれを逃れる事が可能なのだ。ちなみにホールの中は狭いため、宇宙走行時には脚を大きく開いて両脚を同時に蹴る方法が主にとられる(一本脚のモビルスーツが存在しないのはこのためである)。

 M粒子の拡散は均一ではなく、平均直径15m前後のトンネル、もしくは亀裂の様な真空状態が発生するため、意図的にそこを航行する事により「ミノフスキー抵抗」を大きく低減する事が可能である(ホールが一直線である事はごくまれなので慣性移動はできず、よって脚を止めればすぐにホールを抜けて機体は自然に停止する)。ただしこのホールの探知技術は開戦当初はまだ未完成な物であり、実用レベルに達したのは大戦末期においてある。つまり開戦時においては、ザクはそのポテンシャルを最大限に使い切る事はできなかったと言える。
 とはいえゼオンが開戦という不確実な賭けに及び、現実にルウムの戦いの勝利をもたらしたのは、ごく一部の優秀なパイロットがホールの位置を「勘で」把握する事ができたからである。つまりザクを縦一列の隊形とし、勘のいいパイロット(大抵はベテランの指揮官)を先頭にする事で問題をクリアーした訳であるが、当然ながら先頭機の被弾率が高いというリスクがある(実際にルウムの戦いでゼオン軍は多くの優秀なパイロットを失っており、苦い勝利だったと言えよう)。

 このミノフスキーホールの利用なくして、ザクが単機で戦艦を落とす事などは到底不可能であったと言える(ただし実際は2機以上で落としても、先頭機のみの撃沈カウントとされる事がジオン側では多かった様だ)。ちなみにミノフスキーホール中におけるザクの最大宇宙速度(加速度ではない)は通常空間の3倍にも及んだとされる。このホール自体は普通のパイロットでも運がよければ見つける事はできたものの、穴の形状は複雑極まりないために3倍速を維持する事は技量的に極めて困難であった。すなわち、一年戦争の七不思議として有名な「通常の3倍速」とは、「勘と運と超絶的技量」を有するごく少数の天才パイロットのみに許された芸当だったのである。


■「ビーストモード」

 「機動鋼人ガンダー」の劇中では、ガンダーは背中でシールドを付けている事が多かったが、背中に盾を付けるメリットなどは無論存在しない。現実にはザクのパイロットは、ガンダーの姿はシールドと足の先しか見る事ができなかったはずである(モビルスーツはは腰だめ姿勢で二足移動するからだ)。では一体、背中に付けたシールドとは何なのか…筆者の考えでは「モービルスーツの立ち姿勢は射撃時のみの物であり、シールドは本来の移動姿勢で正しい位置に付いているためにこうなった」(立つ度に持ち変えるのは手間がかかるので、あえてそのままにしていた)・・・すなわちモービルスーツは、通常時に四足移動をおこなっていた可能性が極めて高い物と思われる。

※これについてはGunder2008-3を御覧頂いてわかる通りであり、それが全てである。なお、聖暦2003年に某所で公表した画稿を御記憶の方もおられるかもしれないが、コンセプト面では当時よりも後退させている(膝の関節化等の変形機構はオミットした)。これを今まで本稿に加えなかった理由は、「果たしてそんな使用法が実在したのか?」との大きな疑問を流石の筆者といえども払拭できなかったためであり、現在においても完全に拭いきれている訳ではない。


■appendix 「ペガサス戦記 第二部」より抜粋

「久しぶりの太陽か・・・ゼオンのアイランドダスト(コロニー落としの粉塵)とミノフスキーミストのおかげで、地球ではもう二度と見れないと思ってたよ」
「ん、って事はこの艦、衛星にバレバレなんじゃあ・・・大丈夫なのか?」
「ああ、ペガサスは元々潜陸艦として作られてるから、エンジンさえ動かさなければ心配ない」
「潜陸艦たって、速度が出なけりゃ奇襲どころか逃げる事すりゃできゃしない・・・一体アンデスを越えるのはいつになるんだよ」
「ただ、書類上の艦種は宇宙空母って事になってるんだそうだ」
「護衛艦の一隻も無しの空母かよ、無茶苦茶だな・・・しかし航空機よりモービルスーツを多く積んでるなんてどうかしてるぜ、あんなに積むからこうも脚が遅いんだ」
「まあ確かにそうだけど・・・おそらくこの艦の製造目的は、敵の対潜陸艦部隊をおびき出して返り討ちにする事だろうな、そう考えると色々おかしな点にも合点がいく」
「なるほど、囮ねぇ・・・つまりは逃げる事すらできずに戦って死ねって事か・・・。ン、あの音はガンダー殿の御帰還かな?」
「どれどれ・・・おや、胸のハッチを開けてるぞ」
「ああ、負傷兵か民間人でも拾ったんだろ・・・しかしここから1キロは先だろうけど、いかに適応迷彩でも動けばしっかりと見えるな・・・全く陸戦兵器を偵察に使うなんて理解に苦しむよ」
「なあに、そのうちすぐに灰色の雲と、鳥も落ちる悪魔の霧が出るさ・・・霧の中では白い忍者の独壇場だ」
「ガンダーが凄いのは確かだけど、それにしては艦の方はいつ沈められても不思議じゃないって感じなんだが・・・ひょっとして俺達、ゼオンにマークされてるんじゃないのか?」
「いや、だったらとっくに沈められてるだろ、また赤い彗星が来てさ…いや、赤はもう飽きたから青くしてたりして」
「おいおい、それシャレになってないぞ・・・」


■Postscript

 今を生きる我々は、歴史上の全ての偉人達より多くの知識を持っている。ニュートンの誤りを高校生でも指摘できるし、ウェルズの「月世界旅行」の方式でのトンデモさは小学生でもわかるし、コロンブスの目指したアメリカがインドでない事は幼稚園児でも知っている。しかし知識としてそれを知るだけの者が、過去の偉人達を笑える資格などは何一つありはしない。「後だしじゃんけん」は決してじゃんけんなどではないのだ。あえて言うまでもないのだが、未来の人間が過去の人間に突っ込みを入れられたからといって、そこに一体どれだけの価値があるというのだろうか。

 「宇宙で人型兵器などありえない、いや宇宙戦闘機すらありえない」や「高さ18メートルの兵器などありえない、モービルスーツを使える場所など20m以上の建物が林立する市街地以外には存在しない」との指摘は古来より星の数ほどなされているが、筆者はいまだ有効な回答どころか、仮説すら出されたのを聞いた試しがない。無論筆者の説とて完全に有効であるとは思っていないし、そもそも学問的(史学的)には単なる100%の妄想であるにすぎないし、絶対にそうでなくてはならない。

 なぜならば、歴史研究者にとっての聖書たる正史を編纂する事を真に許されし者はただ「ヴァン・ライズ」のみであり、例え「神(頭の禿げた)」ですらも関与する事は一行たりとも許されない。すなわち歴史とは「ルール」であり、そしてルールとは「正義」である。よって筆者の存在は、正統学問的には永遠に「悪(トンデモ)」でしかないのだ。

 しかし、「正しさ」よりも重要な事があるのではないかと筆者は思う。事実はこの世に一つしかないが、真実の数は一つだけではなく、人間の数だけ無数に存在できるのだ。つまり単に事実を(与えられただけの知識として)知る事などよりも、妄想・・・もとい研究する事にこそ人生においての確かな意義があるのではないだろうか。歴史上の偉人達は確かに間違いもしたかもしれないが、彼らの人生は決して間違いなどではなかった様に・・・。

 だが残念ながら、老いた筆者にはこの理論の証明に費やす気力と体力はもはや残っていないため、後の事は柔軟な考え方を持つ異端派の若き研究者達に期待しつつ、久々にとった筆を置く事としたい。


(解説1)
 要は「MSが宇宙戦艦を上回る(小型である事が優位である)」ための屁理屈です。「宇宙戦艦に対するMSは、水上戦艦に対しての航空機ではなく水雷艇にすぎない」という宇宙の掟は「超真相1〜3(暫定版)」を書いた4年前よりも大幅に浸透しており、もはや避けて通る事はできません(詳細は林譲治氏のサイトに詳しいので略)。要は宇宙の海は「大艦巨砲主義」(大きい奴が強い)という現実をいかにして崩すかが問題となる訳です。
 でまあ、一番手っ取り早いのが00のSE・・・もといラムダ・・・もといGNドライブでしたか、要は魔法の超機関の搭載でしょう(理由は無論このためもあるのかと)。しかし物理法則は普遍なので、例えいかなるドライブであろうとも「それを大型化した物を戦艦に積めば更に効率がいい」と突っめる訳でして、全くにんともかんともではあります。まあ解決手段としては、魔法の極小アイテムに依存、つまり「製造コストがかかるため戦艦に積める程の数は揃えられない(反物質、モノポール・・・)」で別段問題ないでしょう。そういえばエステバリスはエネルギーを外部依存していましたが、この点を踏まえて考えると実に合理的な設定と言えます。


(解説2)
 ガンパラの設定は「物語作成時点での視聴者の知識」によりバージョンアップされていき、すなわち時間が経つほどにどんどん歪んでいきます。そして最終的には「ガンダーは地上では四つんばいで動く!」・・・となり、若い人は「そりゃ当然だろう」と普通に納得、ただし年寄り(ファーストに魂を奪われしガノタ)が非難轟々大ブーイング・・・というのがガンパラ的には正しい姿です。

2008/8/27
2008/8/28微修正


  
超真相-3  oasobi

G_Robotism