ガンダーに「装甲」と呼ばれる物は厳密には存在せず、スキンとフレームが装甲として機能する。表面は1ミリ厚/30センチ角のディスプレイパネルであり、その下に10〜30センチ厚の「ソフトスキン(耐熱表皮)」と、その下の「セミ・モノコックフレーム(Mカーボン骨格)」に分かれており、このフレームが主装甲として機能する。スキンは衣服の様な物で、容易に破損するものの交換も容易であるが、その下のフレームが破損した場合、修復コストは多大な物となる。内部にはそれぞれ無数の空間があり、プラズマ弾性体を発生させる事が可能。
フレームの構造はシンプルで、特に面白みはない(ガンダー2005参照)。スキンは宇宙では最初に「冷却/推進剤タンク」として使われ、空になった箇所から順次内部にプラズマを発生させて装甲化する(更に熱を伝導)。M空間においてはデブリは減速されるため、南極条約により核の防護が不要となった以後は、スキンを外したフレームのままのザークが見られる事もあったが(冷却には使い捨てのカートリッジ式タンクを高熱化した後に順次投棄)、ジム登場以後の目撃報告は無い(なお、地上ではMカーボンが熱に弱い以上、スキンを外すのは焼身自殺志願に等しい)。
スキンは破損してプラズマを失うとマットレスの様に柔らかくなり、「ハンダゴテ・ダメージ(巨大なハンダゴテを押し当てた様な凹み跡)」を残したMSの復元模型が一時期、多く見られたのはこれによる。ただし、MSの体表が「軟質」だとする考えは、学会においては強く否定されている(もっとも、筆者の全ての説においてそうであるが…)。十数年前、高名な黒歴史研究者ヨシユキ・アイハラ(仮)による「戦車は凹んだりしないから、MSがそんなダメージを受ける訳が無い」との発言以降、急速にハンダゴテ・ダメージが見られなくなったのは残念である。
…と、設定はここまで。毎度のガンダーは柔らかな材質を想定しており、表層に「装甲」と呼べる硬さ(戦車の表面の様な)は持たない。これはいわば「逃げ」でもあるが、そうする以外の選択肢は私にはなかった。
時は二十年以上前に遡る。発端は、一冊の同人誌であった。
佐伯商事 "装甲"から見た「ガンダム」
…うわぁぁぁぁ、どよーん…(敗北感)。リック・ディアスばりの装甲設定をRX-78にもってくるとは…「戦車の方向性」による"解"は限定されるため、これを後追いしても二番煎じのデッドコピーにしかなりえないし、かと言ってイマサラ航空機ディテールも後ろ向きでしかない。これを超えるには別方向のアプローチで、かつ深い専門知識が必要だろう…"金属部品の一体成型技術"から見た「ガンダムヘッド」…とか。よって結論は、描けない以上は描かずにすますしかない。そのためには、МSの表面ディテールとして見えるのは装甲ではなく「装甲に貼り付けている何か」という事にするのが一番だ…というか、突っ込まれないためにはそれしかない。とはいえ、現実には何かを被せたメカなんてほとんどないぞ、スペースシャトルの耐熱タイル、戦車のツィメリットコーティング(爆発装甲は除外)、他には何か…いや、もっと身近な例があったな。そもそもモビルスーツとは、すなわち「服」だ。オンワード樫山のデザイナー謹製の服だから、ザクのスカートはグニョリとたわむのだ(笑)。グフの肩のツノも無駄な飾りだけど、服の様に軽い材質なら説明が付く。発砲スチロールの様な…要はほとんど空気な訳だけど、空気だとカッコワルイのでプラズマにしよう。いやーしかし、我ながら毎度こういう所にだけは無駄に頭が回るなあ俺。
そういえば、ガンプラ界ではハンダゴテをグニグニと押し当てた様なダメージ表現が流行ってるけど、考証派のモデラーが「あんなハンダゴテダメージはありえない、現代の戦車よりもガンダムが軟らかいはずがない」と激しく突っ込んでから何だか減ってきたな…こりゃ、全モデラーが仰せの通りと平伏するのは時間の問題かもしれないぞ。しかし、服ならば派手なダメージでも矛盾しないし、ハンダゴテダメージはガンプラ的、そしてアニメ的にも充分アリだ。毎回の戦闘でマジンガーばりにズタボロになっても、やられたのは装甲ではなくその上を覆う服ならば、次回にはちゃんと直っている事の説明が付く。自然修復したりするかもしれないな…第23話でヒートロットで腹部をやられた時とかね。でも待てよ?
これを導入すると操縦席周辺や重要な箇所ほど厚みがある必要があるし、"肩の後ろ側"なんて全く不要だぞ、困ったな…まあいいや、後で考えよう。
○上の妄想に至る要因として、「МSの重量設定が軽すぎる件」が第一に挙げられます。これを聞いた事の無いガノタはいないと思うので省略しますが、「原因は多分バルキリーの重量設定」とだけは書いておきます(←何度目だ082)。あとMSの体積が異様にある事、ついでに追い打ちをかけたのが「PGガンダムがやたら太かった件」でした。
○「風船骨格」についても「ぶっとい外骨格だけロボ」でないと構造的に無理なのですが、内部構造が絵にならない罠。カーボンナノチューブは引っ張り強度は強くても圧縮に弱そうなので、「プラズマ(バールン)装甲/骨格」をデッチ上げました。気体を使った風船方式でないと走行時のとてつもない衝撃に耐えられない(あとガンダムシールドとかグニャグニャになるハズ)と考えた訳ですが、「"高圧気体骨格"」で調べてもヒットが無く、こんな設定をしているロボ作品も知らないので、実際どうなのかはわかりません。
○あ、チョンマゲは移動時は伸ばしません、揺れてしまうので。書き忘れましたが「有線カメラドローン」を飛ばします。
巨大ロボット兵器の矛盾解決に半生を棒に振った異端の黒歴史研究者イワン・タワケビッチ・オヤジネフの手稿より。聖書『ガンダムセンチュリー(直販限定で復刻!』の呪いはまだ解けない。https://t.co/Zgm3S7YK3p #俺ガンダム #gundam #人型兵器 #メカイラスト #一年戦争オルタナティブ #妄想リファイン pic.twitter.com/gd4e1KmC5R
— kita082 (@kitaoyasoji) 2019年1月2日
○戦闘力、「0+3」(相変わらずだなあ…)
○ミス…剣の柄の中央は円筒が正しい。右下図はパンツを失念(消えてしまっている)、膝先は本来は可動して膝関節を防護。
○妄想不足…腰だめ(河森姿勢)時のシートのスライド角度が真下ではない(操縦系デザインの全変更が必要)。尻部のタンクは走行用バラストだが、この程度ではまだ軽い。
○妄想変更点…「手盾」を設定、従来の盾を撤廃(オプション扱い)。踵周りをスカスカに。耳部の可動、マゲの伸長ギミック新設。「ミノフスキー・ヒュージロック」から「ロックウォールに名称変更。ザーク等名称変更。
○描いてない…ビームライフル及びハイパーバズーカ(電磁砲)の射撃時形状、パンチング時の手盾の移動、その他色々。
○書き忘れ…「銀の死神(シルバー・リーパー)」とか色々入れ忘れ。ただし、全て詰めると単行本数冊分の文字量になる問題。
○手抜き…肩のフレームがまんまストライク。忌み嫌っていた「中央二分割」をあえてやってみる、というコンセプトだったのですが…。
以下、「聖暦20019年、ルーレット式回転重力都市国家ネオ・ヨコハマ市国ヤマシタ・ピアーのMS遊園地にて稼働する実物ガンダー」用メモ。
○ガンダムは実は手盾を有しており、大型の盾はあんまり持たなかった!」…というオレガンは多分初かと(会話レベルでも、ガンダムが盾を持つ「絶対史実」を疑った人は見た事がありません)。あ、「シールドガンダム」諾冬さんのツイート_
_???… 琴義弓介さんのツイート_
_どうも作画軽減マンです('ω')… がバズったのを参考にした訳ではなく、ラフを描いた8月の時点で「手盾+中型盾」としています。指摘自体はサイト開設以前の同人時代より(ヌリカベモード)、ウェブ上ではだいぶ遅れ「静物化するポストガンダム」雑記2008-12/28が初ツッコミで、見ての通り「盾があると絵にならない問題」を提起しています。ただし本来なら2004年に「ミノフスキー抵抗」を設定した時点で「完全左右対称でないとマズイ」と気づいて然るべきですが、流石に絶対史実はいじれず14年半もムダに…。
○他人様の解説。まず、現在最強の理論強度を有する(と私が思う)俺ガンデザインを御覧下さい。
コトバノリアキさんのツイート_ _夏ごろに描いた妄想設定ガンダムリファイン プラズマ水爆投射砲搭載型 宙陸両用MS RX-78-2
このデザインを見て、「脚が長い、胸が変な楔形、オデコのカメラが巨大すぎる…」といった違和感を持たれる方も多いかもしれませんので、勝手に解説します(オデコは後述)。胸部形状の理由はおそらく、避弾経始です(無論、当人ではないので実際にそうなのかはわかりませんが)。ロボットデザインにおいては、ガングリフォンが最初に本格的に導入した物です(楔形のフンドシ萌え)。ガンプラ界で避弾経始を考慮する人は見ませんが、22年も前にメカデザインの進化はここまで来ていました。ちなみにデザインはアストレイの阿久津氏。
次に脚部ですが、長いのは単純に「胴短」(により脚を長くしないとガンダムとしてのバランスが取れない)のためでしょう。その一方、ガングリフォンはジャンプしてヘリと戦いますから、脚が長い必要は特にありません。脚長のメリットは無論「高速移動」です。
○「巨大ロボって立った姿勢で戦うけど、現実の歩兵の様に腰だめの方が弾に当たりにくいよね問題」について。
0083の企画時、河森氏が腰だめ姿勢による移動を提案しましたが、スタッフ全員の反対で却下されたのは良く知られる話です。ところで、あくまで私の推測ですが、GP-01は胸部上面を絶対装甲としています…多分。ただ、傾斜角度を付ける事よりも「被弾面を集中させる」方がウェイトとしては大きいと思います。また、この副次的メリットとして「コックピットハッチの位置が下にくる」点はあえて言うまでもありません。
○「ガンダムはなぜガンダムシールドを背中に付けている事が多いのか問題」について。
ガノタの会話でなされるのは不思議と見ませんが、合理的ではないため昔から気になっていました。理由はおそらく「ガンダムの絵が赤いポストになってしまう問題」でしょう。実際にはどうだか知りませんが、作画省力化のためのシールドが逆に、演出上のアダになったためではないか…と見ています。では、ここでどう考えるか。「実は普段も盾を前に向けていた」は、ポスト化理由により却下。で、どうしたものかと延々と数年かけて考えた結果が、「河森姿勢+ランドセルのナナメ角度による上面装甲化」です。MSの地上戦が、対戦車戦よりも対空戦闘が多かったであろう事は、言うまでもなく。ただし対МS接近戦では「河森姿勢」を解除して、シールドは背中を無駄に防護する事になりますが、状況的には滅多に無いため問題にはなりません。ただし、胸部の傾斜は0度の完全ツルペタが理想につき、20度くらいのAカップバストはナマヌルイと言えますが、腕自体を装甲と見る事で、装甲の薄さをカバーするいう考え方をしています。
○「あれだけの巨大な物が走れるほどの骨格は作れるのか問題」。
プラズマを充填したバルーン・フレーム及びバルーン装甲で対処。通称「ヤマシタ・ピアー(脚柱)システム」。原寸大を動かすとしたら風船しかないな…あ、古い妄想があったの忘れてた…と復活(プラズマはマイクロバルーンに入れたいけど無理かなあ)。ついでにMSの容積率の巨大さ問題も同時解決(問題になっているのは見た事ないけど)。ちなみにセンチュリーは「発泡金属装甲」、Ζはセラミック併用(当時流行ってたのです、ナウシカの方が顕著ですけど)ですが、骨格については謎です。
○「Gで乗員即死問題」。
「G軽減クッションシート」の妄想自体は若い頃からの物ですが、「河森姿勢」ではほとんど機能させられず失敗しています。とはいえ無論焼け石に水で、「ミノフスキーフリーズ」で肉体を固体化しないと、頭蓋骨に押し付けられた脳髄がスープになります。
○「銃をロボの腕で持つ必要が無い問題(背面等に撃ちたければ全方位可動装置で事足り、その方が軽い上に早い)」。
[頭の上に掲げて撃つため」としていますが、無論「地上16mという特異高度」の存在する「ガンパラ時空」でのみ有用です。
○「銃を脇の下に抱えて撃ったら回転しちゃう問題(無反動砲は効率悪くてお話しにならない)」について。
これについては、「胸部中央もしくは背中部中央軸線上の固定(腕不要)」としており、指がグーパンチなのは手盾で誤魔化しますが、無論絵にはなりません。なお、機体中央での保持は「絵として表現」してはおらず、コトバ氏に先を越されています(ただし大昔に行われた例あり)。
○「ロボットは武器を指で持つ必要は無い問題」。
指でわざわざ持つ(ジョイント固定ではダメな)理由は、МSが軟らかい風船構造である事によります。銃のグリップ及び剣がフワフワしており、一ヵ所で繋いでもそこだけ裂けてしまうため、全体を"握る"のが有効。ただし指が4本も要る必然性は無いため、初期型GMは二本指に簡略化されたものの(以下略)。
○「なぜ人間と同じ非効率的な指なのか問題」。
4本とし、逆親指(小指親指)を導入。これは私の妄想ではなく、宮武氏の特許です(スターシップ・ライブラリィ)。アニメではガルビオン敵メカ、次いで劇場版VF-1。
○「ビームサーベルはジOのサブアーム程度の機構で持てるんじゃネ問題」。
「でっかくて重い実剣」で対処。種式がカッコいいのですが、流石に導入はできず伸縮式で御茶濁し。ビームサーベルは種々の応用がありえるため(公式に設定はされていないが…)、それら全てを封印するのも目的です。前世紀からの妄想。
○「60ミリバルカン砲って振動でセンサーが大変な事になるし、反動で首はのけぞるし、砲身は短すぎるし、そもそも弾丸どこに入ってんのよ問題。
放映当時より何度も繰り返されているツッコミですが、アニメックは「60ミリ以外は絶対に認めない」との旨を示しており、どう妄想しても万人の納得は絶対に不可能です。されど、20019年の実物完成の際に「物理的に入らないので、こめかみはレーザーバルカンって事にして、肩に20ミリを外付けした。物理法則を曲げないのが前提だから仕方がなかった。そもそも私費で作った物なので許してほしい」との釈明後、不満の声は出なかったとの事。
○「チョンマゲってガンキャノンにもザクに無いから、実は要らないんじゃネ問題」。
フィルムにおいては、「セイラ出撃」でチョンマゲがメインカメラである事が確定しています。これを重視して考えると、コトバ氏のガンダムの様にチョンマゲが大型化し「巨大オデコセンサー」にならざるをえません。よって私は「メインカメラは目だ」と判断し、チョンマゲを伸縮式ペリスコープとしました(あとヒサシ部を上に可動させて視界を広げる等のギミックを追加)。妄想の元となったのはチョンマゲですが、「ぬえガンダムの頭にくっついてたアレ」のアンサーでもあります。あ、首はほとんど動きません(図の通り)。なお、マゲカメラの元祖はパワードスーツだとばかり思ってましたが、最近ウルトラセブンのウィンダム人形で遊んでいた所、真のルーツが判明しました(082何やってんの!)
○「10倍重力問題」。
「パンチング十倍重力」・・というのも我ながらあんまりですが、今まで意図的に無視していた件で、画面上のMSには実は10倍の重力が働いています。これに気づいたのは、「巨大ロボが倒れると乗員は全身骨折で即死」と突っ込んだ柳田氏に、山本元会長が確か「倒れる速度は画面上の1/10にすぎない(だから対処は容易であり即死などトンデモだ)」とツッコミ返しした件です。つまり「実際のMSの落下の動き」は、月面で跳ねる宇宙飛行士のそれよりも更にスローな物となるはずです…科学的には。しかし、画面(史実的)には10倍の重力がなぜか働いている…物理学と史実の一体どちらを優先すべきであるのかは、神に聞くしかありません。なお妄想設定上においては、「Mフロート」関連の妄想がジャマになります(後日修正予定)。
○「巨大ロボは動きを止められない問題」。
「関節ブレーキ」という概念はゾイドでは既出ですが、ガンダム界には見当たりません。これに気づいたのは、オタキングが著書『オタクの迷い道』で、象の動きの分析から、巨大ロボの動きのウソを指摘していた事です。「止める方がはるかに難しい」…マグネット・コーティングを根底から粉砕します。いや、女の子の力でもガンダムの指を動かせるので(アッザム回参照)、設定的には正しいですね…ってダメだろそれは。これを知った前世紀の時点では「静止アクション用ワイヤー妄想」(ウェブ未公表。右手の動きを左手で止めたりする)にとどまっていましたが、「MSのハーモニック・ドライブ仮説」から「回転静止用ブレーキ」をコジツケ妄想し、二年程前に「調整用カトキネジをMSが指でツマム」と変更した次第。
以下、注意事項。
○「重力消去」禁止(磁力でもM粒子でも不可能)。
○MSのジェネレーターの問題 艦船用の炉の方式の規定。世界観の再構築を要します。
○モビルアーマーは旧方式の炉をM技術で強化、絶対防御力とMジェット推進の高速を併せ持つため、簡単には倒せません。ただし乗ると寿命が縮みます(放射線は防げず、ララァの宇宙服がブカブカなのはこのため)。
○他のメカ設定も大幅にに変えてます。例えば、ボールの主砲は機体中心から伸びてます…が、こういった種々の設定変更を全く絵で見せていない(=伝わっていない)ため、「そこまでせんとも…」という感があるのは否めません。
「んー、やるべき事は大体やったしなあ…」と10年間開店休業状態でしたが、細々とした変更は行っており8/18頃に今回のラフを描いたりもしていたのですが、その後状況が一変しました(いや、その以前に変わっていたのですが8月末まで気づかず)。雑記18-09/05
【版権】「機動戦士ガンダム 一年戦争オルタナティブ」_「コトバノリアキ」のイラスト [pixiv]
しまった、もはや寝ている場合ではないな…。