サイド7のノアはトアの誤植である


"Noah" that is the name of side 7 is a misprint of "Tor".

「誤りも 正史となれば 正義かな」


2011/1/13
■あぁ、御大の勘違い・・・
ガンダム天文入門〜サイド7ってどこにあったの?スペースコロニーの可能性は?〜 - シャア専用ブログ@アクシズ
(富野)「ブライト・ノアのノアはサイドの名前=出身地だったんだなぁ、今更ながら」

jidoriblog / 2010 / March / 12 ガンダム天文入門に行ってきました
(富野)ブライトさんはノアの出身という事。名前は、殆どが企画書で勝手に書いたもので由来は判りません。その時の気分で勝手につけた名前。

 御本人は「(サイドの名前を)何ひとつおぼえてません」と完全に忘れておられる様ですが、名付け親は富野氏ではなく『ガンダム記録全集1』(編集/ニューアート・クリエーション)の誤記による物です。論拠は以下の画像です。

 見ての通りで、サイド7は企画当初「トア」であり、『機動戦士ガンダム記録全集 1』(日本サンライズ発行)で「ノア」と誤記されました(肉筆を元に清書した物である事は疑う余地なし)。ただ、記録全集一巻の図はあくまで企画段階の物にすぎず、公式に決定した物ではありません。
 続く『機動戦士ガンダム大事典』(アニメック第16号)では、ハッテを「ハッチ」、ムンゾを「ムソン」、サイド7はトアと記述されましたが、これが何を元にした物かは不明です。また、富野氏の肉筆自体はブーム当時にも公表されていました(確か講談社のムック)。

 そしてゼータで「ノア→グリーンオアシスへと戦後に名称を変更、1バンチはグリーン・ノア1」という御存知の公式設定が出されました。推測ですが、ゼータの企画の際に富野氏はこの「記録全集1巻」を参照しています。宇宙世紀最大のタブーである「サイドの位置変更」が初期設定と同じ物だからです(この事は考察系サイトでも指摘されている)。つまりこの際に「ノア」の誤植(というか誤記)も一緒に…。
 その後、アニメックは自らトアは誤りだったと認めてしまい、黒歴史化完了。ちなみに若い人は御存知ないかもしれませんが、アニメックは誤植が多い事で有名で、自ら良く自虐ネタにしていた程でした。そして時は流れ、『ガンダムの現場から』の肉筆図を見てようやっとトア疑惑が浮上。2004年にガンパラ妄想語源集で触れ、その後も時々言及しています(私の他には触れている人が見当たらず、自信なさげに「疑惑」と書いてるのはそのため)。


 それからブライトは、そもそもサイド7出身などではないはずです。「ガノタなら 皆が知ってる この台詞」

ブライト 「宇宙に出たの……初めてなんですよ」
セイラ 「エリートでいらっしゃったのね」
ブライト 「皮肉ですか?」

 とはいえ、ちゃんと調べたら異説もあると判明。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ブライト・ノア
戦争以前の経歴について詳細は不明であるが、TV版第3話で「宇宙に出るのは今回が初めて」と語っている事から、生粋のアースノイドであった事が伺える(一方で『ΖΖ』23話ではブライト自ら「スペースノイド」と発言している)。

 うーん、どっちやねん(あー何かもうどうでもいいや)


 という訳で、当サイトを以前より読まれている方にはくどい内容だと思われたでしょうが、今もトアの件をウェブ上で探してみると・・・

http://zip.2chan.net/2/res/729430.htm のキャッシュより(元のぺージは既に消失)
 やはりこれが、一般的なガノタの(いやトアを知ってる時点で濃いガノタか)の認識という事なのか・・・とぼやきつつも更に調べたら、そうでもないと判明。

G-ROOM:0079
トア正しくは「ノア」。というか、初期設定では「トア」だったらしい。サイド7のことですね。

 どうやら認識は変わりつつある様です(うーん、バンチやバーザムと同じパターンだとでもいうのか?)。



2011/1/14
■おまけのたわごと

 「ノア」の二文字が意味する物は無論、聖書に出てくるノア「Noah」です。よって宇宙を漂流する箱舟の艦長にも、大災厄を生き延びたサイドの名称としても問題ないネーミングですが、偶然にも重複してしまうのは流石にクドい物があります。フィクションの設定、もとい「裏設定」としてスマートではありません。

 ですが、言うまでもなくここで私が「トアが本来の設定なのだ」と主張した所で、所詮は単なる泡沫的トリビアでしかありません。「誤植であっても史実は史実」「ノアをトアに入れ替えろ!」と叫ぶのは、「納豆と豆腐の名称を入れ替えろ!」とのたまうのと同じです。私がここで問題とするのは「設定として的確なのか?」のただ一点であり、誤植がプラスに転じたのならば結果オーライでそれでよしです。

 そして実際、ゼータにおける「グリーンノア」は「グリーントア」よりも(日本では)的確です。ノアの名称一つで、コロニーが「箱舟」の様な閉鎖空間である事が伝わりますが、トアでは何の事なのか日本人視聴者にはわかりません。そしてグリーンノア2はグリプスですから、漂流する巨大な船という意味ではドンピシャです。まあネーミングは重複しますが、ゼータの初期はブライト・ノアはただのサブキャラですし、グリーンノアの名称が使われるのも初期のみです。ただ多少は気にはなりますので、対処法としては「スペルを別にする」のがスマートかと。ちなみにブライトのスペルは Bright Noa, Bright Noahの二説があり、前者が優勢の様です(外国のガンダムサイトは「Bright Noa, Green Noah」と使い分けている模様)。

 ただし、名称の重複が問題化しないのはあくまでも「ファースト原典(テレビ版、劇場版)」においてです。この場合ノアはあくまでも「裏設定」にすぎず、セリフとして存在しないからです。そこからわずかでも「リアル寄りのアレンジ」を加える場合、台詞の「サイド7」を「グリーンノア」へと変更する必要があり、重複が大きな問題となります。まあ日本語での重複は仕方なくとも、例えば「Greennoa」と「Bright Noah」の両者の発音が違えば世界的にはノープロブレムな訳ですが、語学力ゼロの私には不明なるも多分同じ発音でしょう。いずれにせよ公式スペルが決定されていない以上、スペリングの差異化で対処可能なので「Green Noar(Greennoar)」等にしてしまうのはアリだと思います(無理でしょうけど)。

 ところで、そもそもトアとは何なのか。最初に調べたのはだいぶ以前なのですが、まず「toa」という英語を調べるも見当たらず。こういう場合「カタカナ日本語としてのトア」が存在する可能性が高いのでカタカナで調べると、ホテル、マンションといった建物関係が多くヒットし、つづりを調べると「tor」でした(ただし英語での発音はトーもしくはトール)。意味をエキサイト翻訳で調べると「(頂上の尖った)岩山」。次にドイツ語(富野氏が大学時代に第二外国語として専攻)の辞書を引くと、「馬鹿者、愚物」。次が「門」で、「出入り口、城門、サッカーのゴール」の意味あり。

 なお、「トアホテル」のサイトを見た所では、名前の意味が岩山なのか門なのかは不明との事。まあどちらであるにせよ、サイド7の地名としては「トア」は申し分ない名称と言えます。あと、念のため脳内ブライトさんに聞いてみた所「ノアは俺だけでいい」とゆっていたので、脳内妄想はトアに決定したという次第です(バンチ名は「グリーンオアシス・イースト」って所でしょうか)。ただ、もしかしたら「Toa」の様な意味を持たないスペルの方が適切である可能性も考えられるため、スペリングは気が向いたら変更するかもしれません(←どーでもいい)



2011/1/16
■おまけのスペル問題

 各サイド名の公式なスペルは不明で、日米で分かれている様です。

UCガンダムオンライン攻略日誌●たぶん重要地点(宇宙編)●
 によれば「Zarn, Hatte, Munzo, Mua, Loum, Reah, Noa」。

Mobile Suit Gundam - Gundam Wiki
 海外では「Zarn, Hatte, Munzo, Mua, Loam, Riah,Noah」。

 まあ公式がどうであろうと知った事ではないのですが、もし私が決めるとしたら無論スペルを「ブライト・ノアとは別」にします。つまり[Bright Noa]ならNoah]で、[Bright Noah]なら[Noa]です。


※以下、妄想につき読み飛ばし推奨。
 トアがTorのつもりであったかは無論不明なれど、カタカナ語のトアに他の意味が見当たらないため可能性としては高いかと。という訳で他のサイドのスペルも地形に関係した物でバランスをとると、ハッテはHutte(ヒュッテ、家)、ムーアはMoor(沼地)、リアはRia(入江)が適切となります(若い頃の妄想のまんま)。ルウムは富野氏はRuhm(名誉)をおそらく語源としたと見ていますが、現在はルウムのスペルはLから始めないと厳しい物があるため改変は困難(roomとするのも却下)。で、外国サイトのLoamの意味を調べてみると「壌土、ローム、へな土」とフィットしますが、発音が違うのがネックです。またムンゾとザーンに関しては、いまだにいい妄想が出ません(ネットで調べるとZahnは前歯、ラオス語でXangは象ですが、どちらもイマイチ)。(2011/2/10 修正)


2011/2/10 最終更新

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