アムロ・レイの撃墜数の検証

2017/10/13、10/16、10/21、11/6

■公式データを疑う(一年戦争時限定)

ガンダムファン必読！　アムロとシャアの行動を紐解く「機動戦士ガンダム大解剖」が発売中 _ 【es】エンタメステーションを検証した所、数値の食い違いが発生しました。

　現在の「公式データ(映像上で確認できる物のみ)」は141(+2)機なのですが…。 

※「公式」…『機動戦士ガンダム大解剖』三栄書房(2017)　本当に公式かは不明(おやくそく)。
※「異1」…『機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』バンダイ出版(1991)機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑 - Wikipedia　何この異常な充実ぶり…。
※「異2」…『ガンダム戦記 ―一年戦争全戦闘記録― (ログインテーブルトークRPGシリーズ)』アスキー(2000)

※(+　)の数字は未確認の物。公式のアッガイの(+1)はシャアのセリフと見て間違いないが、リックドムの(+1)は不明(おそらく最終回の「頭蹴っ飛ばし」と思われるが、こちらでは小破とカウントした) 。
※マゼラ・ベース及びサムソン・トップは、公式データに倣い無視した。
※表記は公式に従った。ザクのF型とJ型の区別など画面上からできるはずがないのだが、おそらく単純に「地上機=J型」という事なのだろう。
※「0.5」とカウントしている物はガウのみだが、公式が他にも0.5カウントを適用している可能性は否定できない。
※「公式」は『データガンダム キャラクター列伝 宇宙世紀編�T(岡崎昭行)』(角川書店 2010) が修正(アップデート)された物とみられる。同署は「Ζ38話のバーザム」が書き漏らされており、一機少ない計140機(+2)となっている。

　撃墜数は、カウント者の「撃墜判定基準の違い」で変化する。 なお、アムロの撃墜スコアに関する史料は上記の4つであるが、他にウェブサイトが二箇所存在する。

アムロ・レイ全撃墜ログと雑感 鹿？な日々_ウェブリブログ (2000-2011) 労作だが、公式カウント及び当方のカウントと食い違う。
【連邦の】 アムロの一年戦争のスコアをまとめてみた 【白き流星】 - ニコニコ動画 (2008) 一応参考までに。全てが入っている訳ではなく、順序が正確でもない(６話には画面左上で落とされるドップのシーンは無い等)。

■アムロ・レイ一年戦争全スコア

○アムロ・レイ一年戦争総撃墜スコア(確認できる物のみ)

※実際のMS撃墜スコアは不明。特にソロモン及びア・バオア・クーにおける戦闘は記録が残されていない。

※画面外の物も、（+　）表記はせずにそのままカウントしている。
※ソロモンとア・バオア・クーにおいてもこの程度の戦果しか無いとは考えられない。オデッサ作戦も三日間続いており、他に戦果がある可能性が高い。

#1　「マゼラ・アタック二台の逃亡をみすみす許した後に、前に破壊した物の残骸までわざわざ戻ってから八つ当たり」の可能性は無いものとした。
#2　「コア・ミサイル」は便宜上付けた名称で、設定には存在しない。
#3　第12話のドップの撃破シーンは画面上に無いが、アムロが撃ち漏らした可能性は非常に低い。また、ドップが合体の隙に逃亡した可能性も、ジオン兵の士気の高さから考えられない。
#4　鉱山基地にいたマゼラの全機を破壊したと考えて間違いない。
#5　台本に無いシーンである事、射撃音が地味な事(アムロの射撃音はもっと甲高くて強い)からミデアの対空砲火による物と判断した。ただし、弾がまだ残んっている以上はアムロの撃墜である可能性も否定できない。
#6　シャアの誤認である可能性は否定できないが、まず無いと判断。
#7　この後に戦闘を続行している可能性は無いため、画面外でとどめを刺していなければ友軍機が撃墜したか、戦闘宙域外に漂い無視されたかのどちらかであろう。


○アムロ・レイ一年戦争撃墜スコア・TV版話数別(確認できる物のみ)

※実際のMS撃墜スコアは不明。ソロモン及びア・バオア・クーにおける公式記録が残されていない理由に関しては、本稿の最後で述べる。

※Gアーマーの撃墜数を入れたのは、26話の公式カウントにGブルが破壊したゴッグが含まれているため、。
※42話でバスーカで要塞表面の何かを撃っているが、何なのかは謎。ムサイは『録音台本』よりガンダムの撃墜とわかる。
※テレビ版基準につき、劇場版の新規カットは無視。
※公式外典『ガンダム・ザ・ライド』の要塞戦における鬼神の如き活躍や、各種ゲーム、無数の外典作品における描写も考慮していない。

グフ

ドップ

ラ…ビームライフル　V…バルカン　バズ…ハイパーパズーカ　コアミサ…コアファイターのミサイル　コアV…コアファイターのバルカン

※23話の2機(ミデアの撃墜と判断)を含めると35だが、ちょうど公式も35である。

マゼラ・アタック

シ投げ…シールド投げ　

○アムロ・レイ一年戦争撃墜スコア・劇場版(確認できる物のみ)

第一作

第二作

　※ジャブロー戦でザクとドムを破壊する新規カットが加えられている。

第三作

※コンスコン隊のリックドムは「8つめ」が二機存在。つまり監督が数を間違えているアムロの撃墜カウント方法が七機目を境に何故か変化している。
※ア・バオア・クー地表のリックドムを撃破する新規のスティルが存在するが、映像中には確認できなかった(NGショットとされたのであろう)。

○『戦略戦術大図鑑』の「MS142機撃墜」の記述は誤記である説
　該当書の記述は、極めて信憑性に欠くとされる事で有名な物である。もっとも大戦時の142という数はありえない物ではないのだが、それよりも疑わしいのが、同時公表された「テネス・A・ユングのMS撃墜スコア149機」であり、このスコアが捏造であると疑う研究者は数多い。全くのド素人の民間人の少年パイロットが歴代一位とあっては軍の面子が丸つぶれであるため、悪質な数値改竄が行われたとする説が有力である。言うまでもない事だが、人類最強のニュータイパーであるアムロ・レイを上回るパイロットなど、どう考えても当時存在しようはずが無いからだ。
　さて、公式におけるアムロ・レイの公式の生涯全スコア(その他兵器も含む)は141(+2)であるが、アッガイの4機撃破はシャアの証言から確実視されているため、事実上は142機と言って良いだろう。だが、この142という数の一致は果たして単なる偶然による物なのであろうか？　筆者はそうは思わず、正史…すなわち白歴史の編集上のミスによる物である可能性が極めて大であると考える。よってこの場合、テネス・A・ユングの149機という数も同様に、ドップ等も含んだ全生涯スコアだと考えられる。いかにオールドタイパーのパイロットとて長い時間をかければ、大戦後に操縦する機会にあまり恵まれなかったニュータイパーを上回る事は別段不思議ではないと言えよう。

テスコさんのツイート_ _ 一応こいつら戦略戦術大図鑑って本に出て来る奴らです。 この本だとアムロが連邦の撃墜数ランキング2位で1位がテネスとかいうこの本初登場の...
【1stガンダム】連邦の撃墜数1位がアムロ・レイではないという事実 _ GUNDAM.LOG｜ガンダムまとめブログ


○公式撃墜数が実数よりも少ない理由
　公式記録における撃墜数が低すぎるという疑問は良く知られる所であり、特にソロモン戦、ア・バオア・クー戦、グリプス紛争、シャアの反乱時のスコアは明らかにおかしい。これに関しては、軍が意図的に撃墜数を低く公表しているとする説が有力である。筆者としても、グリプス紛争、シャアの反乱の際に関しては記録自体が残されていないと考えて間違いないと思う。ただしソロモンとア・バオ・ア・クーに関しては、ハードウェア的な問題で観測不能であった可能性が高い物と思われる。つまり公式記録とは別に、撮影記録の存在しない未公表の「自己申告スコア」なる物があると考えて間違いない。この自己申告数値が受け入れられるか無視されるかは、軍内における地位が無論左右する。
　アムロ・レイの場合、射撃直後に即、次の目標の索敵を行うという戦闘スタイルに問題があった。通常のパイロットならば弾着時までしっかりとメイン・カメラで確認するのがセオリーだが、彼の場合それを一切しないのである。この場合においては、サブカメラの画像より追尾プログラムが着弾の観測を行う事となるが、この機能が付いていけなかった可能性が高いと言える。もっとも、対コンスコン艦隊戦時の様に宙域がクリアであれば機能上は何ら問題ないのだが、要塞戦の様な乱戦においては別である。高ミノフスキー濃度宙域に無数に発生する爆発光の中で、これを観測するのは難行である。そして更に、常識を上回るガンダムのあまりの機動速度が加わるのであるから、当時のAIの処理能力を大きく上回る物であったろう事は相違ない。
　ただ無論、これはあくまで仮説の1つであるにすぎないが、一年戦争における他の戦場における記録と比較して、要塞戦のスコアが極端に少ない事の理由として、ここに提示させて頂く次第である。

※既存考察(2007)　ジオンの残業　アムロと撃墜数と実力


○付記・異名の初出に関して
「白い奴」、「白いモビルスーツ」…劇中より。
「白い悪魔」…聖暦1998頃、樹想社所属の歴史ライター、ウィリアム・F・マチダ氏による。
「連邦の白き流星(アムロ・レイ)」…聖暦1991『戦略戦術大図鑑』、スタジオ・ハード。
「蒼き流星(ランバ・ラル)」…1981.7『劇場版ガンダム�U』パンフレット。

■修正1（10/16）

　総撃墜スコア（136項目）を追加。
　カウント方法を変更、（+　）を廃棄し、「画面外撃墜機判定」を緩めに変更。
　ザクの計算ミス修正、なぜか1機多かった。
　劇場版ドップの計算ミス修正、なぜか1機多かった。
　11話ガウを修正（スコア2機は変らず）
　18話のマゼラアタックを3から6に修正。
　劇場版3作目のコンスコン隊のカウント矛盾に言及。

　以上の要約…撃墜数は最大限という方向で、149越えを目標。
　以上の翻訳…アムロは最強、異説は認めない。

■修正2（10/21）

　［先行量産型グフ←先行試作型グフ］
　あと細かい部分を微改稿（数字の変更は無し）。

■修正3（11/6）

　リック・ドムを1追加し(42話の数え漏れ)、総数を151に修正。ドップ13話を2追加、ドップ23話を2削除。『ガンダム戦記 ―一年戦争全戦闘記録―)』のスコア追加。

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