関節、可動研究関連


※ガノタ文化研究(w)及びロボットテクノロジーの発展目的のため、画像引用を止むを得ず行っています。



2005/9/7〜2006/5/30

 関節はガンプラを不動のキャラクターグッズたらしめる極めて重要な要素であるものの、何故か語られる事が少ない分野です。まあバンダイ側もビークラフトの画稿では意欲的に考えられてはいますが、ガンプラの手首はいまだヘロヘロのボールジョイントから棒一本だけで手首へと(〜中略〜)にもかかわらず、モデラー側も対応する意思がさほど見られないのが現状です(立ちポーズのカッコ良さはみんな執拗に追求するのに・・・)。という訳で、今後の研究の進展のために自分の知っている物をまとめてみました。


内部図解

●朝日ソノラマ「機動戦士ガンダム・マニュアル」より、ドム(部分)['81年3月発行]
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※これ以前に公表されていた内部図解では、シリンダーはわずかに見られる程度でした。ちなみにこの本での新規の内部図解は、「ドム、ゲルググ、ズゴック、ジオング(大河原バージョンとは別の物)、ビグ・ザム、ガウ、ムサイ、マゼラアタック」です。なお、この本自体の再販は困難でしょうが、画稿を別の形でぜひ復活させて欲しい所です(何しろ作画が開田氏、増尾氏、ひおあきら氏・・・)。


●講談社「ガンダムSFワールド」より「ジ・エンサイクロペディア・オブ・ガンダム」['81/8/14発行]
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※アニメック誌における伝説の超絶マニアック連載「エンサイクロペディア・オブ・パワードスーツ」を残したTAS(テクニカル・アート・スタジオ)による物です。しかしこれが当時ガンプラ界に与えた影響は皆無であり、設定は御覧の通り何一つとして現在に受け継がれていません。よって本当にこれが存在したのかすら疑わしくなる程ですが、当時最新のワセダレッグ9DRを基にしたシリンダー構造がオヤジガノタの脳内リアルとして刷り込まれなかったはずはなく、エルガイムや現在のガンプラ内部構造に少なからずの影響を与え、現実のロボットはモーター全盛でもなお、ガノタがシリンダーにリアリティを見出せる遠因となっているのは間違いないでしょう。
 そしてまた、08小隊の第6話において現れたギア構造はガノタに完全無視され続けてはいるものの、フィルムにおいて燦然と「史実」の輝きを放っていますので、冗談ネタのギアガンダムがガノタに再評価される日が来るのはそう遠くない事と思われます・・・(んなわけないか)。

※この本自体に関しては、古本を見かける事は比較的少ないものの(当時の発行数か少ないのでしょう)、人気がゼロ(復刊ドットコムにもナシ)のため大したプレミアも付かず店頭に長く残る事が多く、入手は容易な部類に入るかと(ネット古書価格を調べた所、2100〜2500円という所でした)。
 ちなみに主な内容は、MG'99年2月号において『とかく「センチュリー」ばかり語られがちなガンダム書籍の中で(なぜか)埋没している「〜SFワールド」。もう「ガンダムとは無関係」に前編徹底的にSF&未来話が続く。直視できないっ!』と丁重に解説されている通りです・・・。とまあそおゆう事でガンダムグッズ的価値及び「考察的史料価値」も極めて薄く、学会においても存在を徹底的に無視されおり、せいぜいザクのラフ稿を間違えてMS-05としていたのをほじくられていたのみでした。しかし、何だかセンチネルに対するタイラントソード的存在の本ですねえ・・・。


●アウト連載「ゼータ・ワールド 宇宙世紀0087へのアプローチ」第二回より[アウト'85年9月号]
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※連載は86年1月号で終了(計6回)。ちなみに藤田一己氏による解説文の「中の人」は日下部匡俊氏。

2008/8/30追記
中の人のソースはウェブ上に現存しないのですが、不確定な情報ではありません。


●パーフェクトグレード・ガンダム検討用案図[HJ'99年2月号]
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※「ギア減速で丸い部分がクルクルクル」に関してですが、以前ロボット展でアシモのムーバブルフレームを見た所、膝関節が動く度にゾイドのアニメの如く高速にクルクルと回っていました。どういう機構かは不明ですが同軸で減速されているのは確かで、「カトキネジと相性が良さそうなアニメ的ギミックだなあ」・・・と単に思ったにすぎなかったアイディアが真のリアルでもあった事に驚きました。
※追記・ハーモニックドライブと判明。
 http://www.hds.co.jp/principle/


●PGガンダム解説書(INSTRUCTION MANUAL)より['98年11月発売]
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※画稿は、MS大図鑑1のザク内部図以来久々に位置を特定できる物でしたが、これ以降の文字設定で「背中に二基の計七基」という事になったため、単なる「ドーナッツ型の謎の(大した意味を持たない)パーツ」と解釈するのが妥当かと。


●マドロックのゲーム用設定より、1軸関節の提唱(片桐圭一郎氏)[電ホ'01年11月号]
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●MG陸戦用ガンダムインストより(阿久津氏)['00年5月発売]
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※カトキ氏の案図(MGデータブックp218参照)の時点で既に「ギア無し」です。でも別段その事への文句は聞かないので、誰も気にしていないのでしょう(しかし、ガンプラのプロポーションは毎度ガノタの批難ごうごうなのに、内部には何も言われないのは一体なぜだろうなぜかしら?)。なお画像が小さい理由は、引用する必要性のない部分はできるだけ載せない方針によりますので御容赦を。


●ガンダムミュージアムパンフレットより['03/12/20発売開始]
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※大河原氏監修、阿久津氏、村田護朗氏、星野秀輝氏(3D作画)。従来の定説を覆す特異な構造となっており、この手のホンダロボ系股関節は何故かターンエーのズサンくらいしかお目にかかりません(アファームド等のマジンガー系股関節は除外)。


同人誌

● 『Z-VECTOR』発行「(0.0.0)(0.0.3)」より(撫荒武吉氏)['99/12/26]
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● 『Z-VECTOR』発行「(extraporation)」より(撫荒武吉氏)['00/8/12]
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※ハの字肩を採用したアシモは2000年の公表です。
※これらは秋葉原の古同人誌屋で安価で入手可能です。なお、これ以外に関しては氏のどの古本にメカ絵が載っているのかは表紙では判別不能のため、その手の(どの手のだ?)属性をお持ちの友人の方にお尋ねになられるのが確実だと思います(・・・ってそんな友人は普通いないのが難)。
 なお、これらのアップを今まで控えていた理由は、神とも呼べし存在たる絶対勝者ではない普通の人ならば、コピーサイトの存在を知られてしまうと本人の気力を削いでしまう可能性が高いですし、また個人的に何度もクレームを受けるのは無論面倒なためです。しかし、SFマガジンの表紙を描かれているともなれば、すなわちオタクイラストレーターの頂点を極めし者・・・だったのは昔の話ですが、例え勢力は及ばずともSF者がオタクヒエラルキーの最上層である事に変わりはないため、「絶対勝者」であると判断させて頂きましたのでよしなに。


●『CHOCOLATE SHOP』発行「HOGE-FIX2」より(明智村正氏)['01/8/11]
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※古同人誌屋に頻繁に足を運ぶ人なら、入手はさほど困難ではないと思います(ただ、一年前までは1500〜2000円の相場で安定していましたが、ここ最近は見る事が少なくなり、価格も上昇ぎみの様です) 。なお、明智氏はあまり名を聞く方ではないのですが、絶対勝者の手による本という事で一応よしなに。


●『R-AREA』発行「MAGXX」より、1軸関節の提唱(KAT氏)['01/12-30]
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※入手は非常に極めて困難です(普通の古メカ同人誌と同等)。ちなみに同じ表紙の改定版(確かイラストが一枚追加されていた)が存在しているため、これを持ってる人は初版と改訂版の2冊を所有している可能性がかなり高いかと(つまり、オクに出るとすればまず初版でしょう)。ちなみに『R-AREA』は現在活動しておらずウェブサイトも元より存在しませんが、本誌は主に「GUNDAM MILLENNIUM」のスペースで委託頒布されていました。

※以下、黒デムパ注意(重症ヤバメ)
 しかし、我ながら懲りてないというか・・・。ちなみに'03年モーターショーモデルではGストライダーの方がテラ・スオーノグリフォンより個人的に好みだったりしますが、リアルメカ界とアニメメカ界双方で頂点を極めた者は勝者中の勝者、すなわち神にも等しい「絶対勝者」である事に異論を挟む余地はないでしょう(しかし、正体は決して明かせないのが仮面ヒーローの鉄の掟)。そして、その絶対勝者に「師匠」と仰がれし者、すなわち絶対勝者マスターともなれば「神をも超えしスーパーサイヤ人の如き超存在、究極宇宙最高神」に他ならず、すなわちそれにあらがう者は大宇宙の意思に背く絶対悪に他なりません。つまりそういう訳で、世界唯一の正統学会アンチサイト運営者である私はまごうことなき絶対外道であり、真にそれを名乗る資格をただ一人有するのです。



●最弱小ヘタレ負け犬同人の汚いラクガキより。['99/8/14]
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※これらの在庫を、該当サークルに直接尋ねる事は御遠慮下さい(同人誌は基本「売り切ったらオシマイ」です)。


※付記・画像紹介を控えたその他資料に関して

●「エルガイム膝関節設定」
 シリンダーギミックを突き詰めた物で、MSのムーバブルフレーム設定に多大すぎる影響を与えた、関節を考える上での歴史的な最重要資料と言えます。

●「モーターヘッド作動方法(レッドミラージュ可動設定)」
 FSSの副読本『Characters 2 COLUS』で公表されている、装甲スライドギミックの元祖。Sガンの肩装甲、PGウィングゼロカス、PGストライク等に多大な影響を与えました。

●「モビルスーツイメージスケッチ(ガンボーイ理論的考証学)・富野善幸」
 ファースト企画時におこされた、全てはここから始まったとも言える物。可動範囲を考慮した「ハの字」の肩、足の裏のゴムはアシモを予言。足首のR軸可動もしっかりと考慮され(ガンプラでは単なるボールジョイント)、Ζ以降の足底二分割もこの時点で考えられていたのには驚きます。ただし顔だけはDr.モローですが・・・。※掲示板にうぷしたのでそちらをドウゾ。

●「ガンダム、ガンキャノン、ザク等の昔の内部図解」
 有名だった物なので未見のガノタは少ないと思いますが(ガンダムとザクはプラモにまでなってます)、改めて今これを見ると「ギア構造」の黒歴史っぷりが何とも・・・。

●「電撃ホビーマガジン'05年3月号」
 モデラー側が可動機構を提案し、バンダイがそれを検証するという画期的な企画で、ABS関節を使った足首ボールジョイントの撤廃等が行われています。しかし、ようやっと今頃・・・という感もあるのは、そもそもこういった作例は誌面上で目立たず模型コンテストでもアピールのしようがありませんから、その結果模型界では「立ちポーズで萌える事」だけが優先されてしまい、その結果一体どれだけの貴重なアイディアが埋もれてしまったのかはかりしれません(ひょっとしたらロボット工学的アプローチを行った物もどこかに存在しているのかもしれませんが、伝えられなくてはどうしようも・・・)。


2007/5/2

参考リンク
通りすがりのロボットウォッチャー ロボットデザイン考1 ロボットの姿の変遷 米田 裕


オマケ・ガンダム式関節で定番ボールジョイントを使わない場合に生じる問題。
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 結論・・・現実ロボ式が合理的。
 軸位置が下がるとカトキ立ちが決まりにくくなる罠、かといって角度をいじって特異点を回避すると制御が面倒に。とりあえず人間にできないポーズまでフォローさせる必要はないので、後方への可動をバッサリ切る事で何とか対応したい所ではありますが・・・。

↓あ、言い忘れましたがこれは現実には内股ができないのでダメです。あくまで模型のハッタリ萌え立ちポーズ優先。
絶対正義とカトキ立ちと


2008/8/30

 追記のついでに少々。
○多少古ネタですが、プロメテマーク2、相変わらずガンプラより良く可動しそうです。尻の座布団バンパーはオミットの様ですが、プロメテ同様腹部前後可動軸が同様前にあり足首左右軸が内側、手首は例によって別次元・・・手甲はバンパーと起き上がりに使えますがどうなんでしょ?

○ガンダムの最初の内部設定ですが、宮武氏ならああは描きません。ただ、あくまでこれはメカ描きのはしくれとしての勘による物言いにすぎませんので、私の目が節穴か否かは情報を受け取る閲覧者の皆様が判断してください(でもちょっとググれば「メカ描きとしての私の認知度がゼロ」である事はすぐわかりますね、ハハ)。 一応絵を見る限りでは「(松崎→)瓦ラフ→中の人クリーンアップ」という感じですがどうなんでしょ。まあ「資料持ち」ではないので妄想はここまでにしておきます。

○そういえばザブングルとギャリアも謎で、それまでとは異なるセンスです(サスライガーの内部もイイですね)・・・誰だろ?



2005/9/7 同人誌、マドロックうぷ
2005/9/10 アウト、ドムうぷ
2005/10/6 PG案図、SFワールド、ミュージアム、陸戦うぷ。
2005/10/25 撫荒4追加、多少追記
2006/5/30 ハーモニックリンク追加、微修正
2007/2/11 微修正
2007/5/2
2008/8/30
2013/4/18

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