「ジェリド出撃命令」より-2

施設、地域

「バックランド基地」
 大型基地の一つで、北極海とベーリング海峡の警備が主任務。試験段階のトランス・ウェイブを使ったエネルギー搬送システムを持ち、要塞型衛星ケルベロスのコントロール基地でもある。基地の地下には巨大な研究施設があり、擬似ニュータイプ・・・・強化人間を極秘裏に研究している。[バ版-P149]
 基地内部は迷路の様。地上施設と地下施設の二重構造で、作業用MSの地下への入り口あり。基地の周囲には20基以上の高出力ビーム砲がある。[バ版-P176]
 バックランド基地は、基地というよりも、実験施設としての色合いが強い。静止軌道上の大型軍事要塞衛星ケルベロスから太陽エネルギーをマイクロ波の形態で受信し、受信機ウェイブ・キャッチャーの変換システムにより直流電流に再び変換され、地下ケーブルを通じて再びバックランド基地外周の防衛用高出力ビーム砲座のエネルギー源となる。
 すなわちこの基地は、太陽開発エネルギー送受信システムのテストモデルであるのだ。このシステムが完成すれば、超大型核反応炉を持たない小規模な基地、もしくは前線のトーチカなどでも、ウェイブ・キャッチャーさえあれば、自由に大型ビーム砲を使える様になるのだ。[バ版-P5]

 0087年1月9日 アラスカ、スワード半島のバックランド基地が正体不明の一団に占拠された(守備隊のMSは交戦して破壊された)。要求は拘禁されている旧ジオン公国戦犯の解放。連邦政府がこの条件を30時間以内に承認しない場合、バックランド基地からのみコントロールできる衛星軌道上の要塞型衛星から、幾多のコロニーに向けてビームを放つ。[バ版-P131]

「MS侵攻妨害用電磁ネット」・・・・バックランド基地周辺に張られている。[バ版-P116、168] 
「通信用レーザー送信機」・・・・直径30センチほどの円筒。

「ウェイブ・キャッチャー」[バ版-P42?]
 スワード半島のどこかに3基設置されている(場所は最重要機密)。銀色の巨大な鉄塔。100m近くある巨体。集波板は傘を逆さにした構造だが、開くと直径160mの銀色の花となる。MSの計器が震え異常な数値を示し、特に極超短波レーダーのゴーストが激しい。その根元にはエネルギー変換システム(マイクロ波を直流電流に変える)がある。このシステムは10m四方のコンテナに収められている。電力は地下ケーブルを通ってバックランド基地に送られる。ドーム壁面に大型拡散ビーム砲約20門(対ビームテスト用)。壁はルナチタニウム鋼製で頑丈。

「要塞衛星ケルベロス」
 巨大な集光発電システムだが、基地からの指令で作動する超重ビーム砲 (超大型レーザー砲)でもある。[バ版-P178]  数多くの防衛システムを持つ。[バ版-P131]  蓄積された電力はマイクロ・トランス波によってバックランド基地に送電され、基地の防衛システムの電力をまかなう。

「魔の大落下孔デスクレーター」
 一年戦争で落下したコロニーの破片は、アラスカをはじめとし、北アメリカ各地、シベリア、アフリカ・・・世界各地に散り散りに落下した。その中で、コロニーの二分の一の落下したオーストラリア大陸東岸は、恐るべき衝撃に見舞われ、地層はゆがみ、引き裂かれ、陸地の形状は大きく変貌した。[バ版-P255]


○アラスカにもコロニー落下の跡がある。
○イヌイットは当時の暮らしを続けている。アラスカは宇宙世紀初頭に乱開発されて自然が失われた。
○このアラスカ氷河は、19世紀末期にサエ・キケンゾという探検家により発見された。
○旧コンビナート地区には、アラスカの「第三のゴールドラッシュ」、すなわちレアメタル発掘で賑わっていた頃に建てられた工場郡が一年戦争時代まで稼動していたが、今では壊れかけてひっそりと佇んでいる。[バ版-P120]  宇宙世紀0000年代、金を含んだレアメタルが、かつての技術では到達できなかった深い地層から発見され、巨大な鉱山基地が作られた。しかし、やがて月面や他惑星での鉱山基地が機能する様になり、アラスカの探鉱は見捨てられていった。[バ版-P245]
○宇宙世紀0083に、シロナガスクジラ最後の一頭が絶滅。[バ版-P254]



部隊名、人名、他

「トップガンダム」・・・・グラーフ・ツェッペリンを訓練基地とし、一%の有能な候補生を集めた訓練校はそう呼ばれる。(バ版文庫カバーより)
「シュバルツァ・アドラー隊」・・・・テロリストの通信傍受の際に言われていた。

「トム・クルージング上等兵」・・・・アラスカ第18辺境警備隊所属。[バ版-P77]
「アメリア」・・・・カクリコンの彼女。ロスにいる。
「ルリア」・・・・ジェリドが子供の頃に、アイルランドを観光で訪れた時に出会った、湖のほとりに住んでいた長い髪の少女。二人でガンダムの記録写真集を見ながら「何てかっこいいんだろう」と話し合った。

海の狼「フラナガン・ブーン」
熱砂のロンメル
鉄のサソリ「グランベリー」

「ブルーマックス」・・・・ジオン軍「青の受勲勲章」のメダル。ごく一部のエースパイロットにしか与えられなかった。
○MS地雷は、教本通りなら200メートルに一個の割合で設置される。[バ版-P104]
○レバーを倒すと前進。スロットル・レバーを一気に「緊急最大加速」レベルに叩きこむ。


奥付

ケイブンシャ(勁文社) アドベンチャーヒーローブックス16
『機動戦士Zガンダム ジェリド出撃命令』
山口 宏 構成・文  スタジオ・ハード 編
カバーイラスト 小林誠
1987年

※未入手。ちなみにここでのドゥラはMAではなくMSです。

バンダイ文庫 ゲームブックシリーズ G−11
『機動戦士ガンダム0087 ジェリド出撃命令』
著者/山口宏 制作/SYUDIO HARD
イラスト みやさかたかし
(ケイブンシャから発行された物に加筆訂正)。

※ページのデータは全てこれによりますが、原本は現在手元にありません。


付記・恒例電波テキスト

 このページは、本のストーリーに触れる事なく設定部分(設定ヲタが萌えるトリビア)をピックアップした物であり、本の「資料的価値」を失わせる行為だと認識した上で作成しました。
 まあやっている事は、「自分が幼女向けアニメに求めているのはパンチラやエロい静止画だけなので、そこだけキャプしたのでみんなこれでヌイてね〜」と言っているのと質的に同じです。なお、「キャプのせいでDVDの売上げがゼロになったらどうする」と突っ込まれた場合には「もしそうなったならば、その作品の価値とはすなわちパンチラだけだという事なのでしょう」と、屁理屈で言い返す予定です。

  基本的に、著作権とはそこに創造性が認められる物のみに存在します。このため通常のネーミングに著作権は存在せず、商標として申請しなければ保護されません。つまり型式番号やスペックにも創造性は介入し得えないと言えますし、「ブルーマックス・・・ジオン軍の青の受勲勲章のメダル」といった文章にも、どこまで創造性が認められうるのか疑問です。
 しかし、資料的価値のみが商売となる状況においては、その理屈で復刊の可能性を摘み取るのは是なのかという問題に突き当たります。よって、ガンダム本の設定部分全てを丸ごとウェブ公開するという暴挙に出るのは、いささか躊躇する部分もありました。

 ガンダムのゲームブックは、以前はたまに古本屋で100円で見つける事もありましたが、現在はヤフオクでは高値が付きますし、まんだらけでも普通に店頭には出されずオークションされます(要は金さえあれば手に入るので独身貴族なら入手は難しくないと思います)。よって貴族でないガンオタが再販の声を上げる訳で、実際出せば売れるとは思いますが、無論この需要はゲームブックとしてではなく、「ガンダム世界の設定(墓堀り遊び)」として資料的価値があるためにすぎません。
 つまり出したら出したで「つまらん」と叩かれるのは、ダブルフェイクの通りであり、「本来売れるはずのない物が、ガンダムだというだけで売れてしまうのは善き事なのか?」という毎度の疑念を感じさせるだけでしょう。

 しかし、作品の本質と無関係な萌え要素だけが崇め祭られるのは本末転倒な事ではあるものの、逆に見方を変えれば、ガンダム自体が元々アダルトビデオの様な物とも言えます。よってこの場合、「ファンの連中は高尚なストーリーは無視して女優のスリーサイズとかの話ばっか延々としてやがって、バッカじゃねーの、ブツブツ・・・」とぼやく方が逆に滑稽なのかもしれません(ファーストは日活ロマンポルノで、今では当時の女優のハダカでは抜けないのでリファインが必要・・・という所でしょうか)。

 元々、価値観相対主義が支配するウェブ空間においては、本質という言葉すらウソ臭く聞こえますし、本質を見失った世界といえども所詮、なる様になった結果であるにすぎません。そしてそれが良い事なのか否かに関わらず、呪われし者がすがるための宗教も必要なのだろうと最近は思いますが、何の話をしているのか自分でもわからなくなってきたのでこの辺で・・・。

文責/ハーカー・ホリック
2004/10/23

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