https://twitter.com/#!/ShonanPai/status/126297602940604416 |
ううむ・・・。ただ決まりという訳ではなく、「サンライズ公式がByalant」、「バンダイ公式がByarlant」、昨年発売のBクラブの新ガレージキットのみが 「Byarant」という事なものの、無論どれが史実であるのかは大きな謎です(神様に直接聞いたとしても「バッカじゃねーの?」と多分答えるでしょうし)。
※日本の公式サイトではスペルの記述無し、http://www.gundamofficial.com/worlds/uc/zeta/mechanics/ms_byalant.htmlではByalant(英語は読めないので判別できないのですが、たぶん公式かと)。
で、ちょっと試しにググってみました。
「Byalant」 11,200 件
「Byarlant」 17,800 件
「Byalant Gundam」 21,100 件
「Byarlant Gundam」 21,900 件
「Byalant バイアラン 」 764 件
「Byarlant バイアラン」 2,810 件
「Byalant バイアラン ガンダム」 740 件
「Byarlant バイアラン ガンダム」 1,390 件
「Byalant Custom」 16,700 件
「Byarlant Custom」 15,200 件
「Byalant Custom バイアラン・カスタム」 117 件
「Byarlant Custom バイアラン・カスタム」 1,240 件
「Byarant」 17,800 件 (※明らかに検索不能)
「Byarant Gundam」 310 件
「Byarant バイアラン ガンダム」 172 件
「Byarant Custom」 15,200 件 (※明らかに検索不能)
「Byarant バイアラン・カスタム」 91 件
全体的にByarlantが優勢ですが、大きく二つに分裂しています。
しかし、一体どうしてこんな事になってしまったというのか…という訳で恒例、墓掘れワンワン!
1/220バイアランのインストより。見ての通り二つのスペルが混在しており、すなわちどちらかが誤植です。
『スペル年表』
ジ・アニメ特別編集 機動戦士Ζガンダム PART2 | アニメムック | Byalant | 86年1月発行 |
MG別冊 ガンダムウォーズ プロジェクトΖ | 模型ムック | Byalant | 86年3月 |
1/220バイアランの箱 | 模型 | Byarlant | 86年4月発売 |
HJ別冊 MOBILE SUIT Ζ GUNDAM | 模型ムック | Byalant | 86年5月10日 |
機動戦士Ζガンダム大事典 | アニメムック | Byarlant | 86年8月 |
バンダイ出版 スーパーMJ 機動戦士ガンダム 最新MS造形資料集 | 模型ムック | Byarlant | 92年9月 |
旭屋出版 TVシリーズ[機動戦士Ζガンダム] フィルムブック・パート2 | アニメムック | Byalant | 99年6月 |
カンダム ファクトファイル 36号 | アニメムック | Byalant | 05年6月 |
MS大全集2009 | アニメムック | Byalant | 09年8月 |
ガレージキット Bクラブ 1/144 バイアラン(新) | 模型 | Byarant | 10年6月 |
ロボット魂 バイアラン・カスタム | 模型 | Byarlant | 12年4月発売予定 |
量が少なすぎるのですが、出版物は基本的に一部の例外を除きByalantです。ここから推測できる事は無論、サンライズに細部設定を一任されていた伸童舎はByalantというスペルに決めていたものの、プラモデルのパッケージが(以下略)。
しかしまあ、歴史考察における落とし所としては「情報撹乱のため、もしくは書類上のミスにより複数のスペルが存在していた」が定石ではありますが、ウェブにおいてはいずれByarlantが大きく優勢となり圧勝すると思います(ウィキペディアもこちらですし、いずれ出るであろうHGUCカスタムも当然…)。そしてついにはサンライズ公式自体が変更され、Byalantは黒歴史の彼方に消え去る単なる「異説」となると見て間違いありません・・・という訳で、最後に一句。
「誤りも 声か多けりゃ 史実かな」
バイアランは一般に藤田デザインとされていますが(ウィキも然り)、ヴィシャルデザインによるラフがあります。
『月刊モデルグラフィックス 86年1月号(15号)』P71より
「Viscial design Y…」の文字が読み取れるので、おそらく柳澤達彦氏の筆かと思われます(ええと、「ドム黒歴史」も同じ方です。もっとわかりやすく言うと「MGガンダム&ザク1.0」の中の人のMAXファクトリーの原型師(当時)で、それ以前には別冊ブラスティーでも活躍。12/30追加)。バイアランの元デザインの存在について、現時点で検索で調べる事は不可能です。これがヴィシャル(ヴィシャール、ビシャル、ビシャール)デザインである事がウェブサイトで語られる事があるのは、私の知る限り某大手匿名画像掲示板の「ろぼ板」のみです。ログはすぐ流れてしまうので検索にはかかりませんが、私ごときを軽く凌駕する方が複数います(2ちゃんねるの方には書き込まれない様です)。ちなみに当サイトでは、バーザムの画稿(2005年1月)の中にヴィシャルデザインの「バイア」の存在を示していたものの全く・・・(しかし今回証拠画像をアップした事で、検索数ゼロの状況は今後大きく変わる物と推測されます)。
まあ一般的には藤田デザインとされている訳ですが、「人形は顔が命」とも言いますが、ロボットデザインにおける顔が占める比重は、少なくとも半分はあると思います。頭部は完全な藤田メカですし(スキャン画像のサイズを大きめにしたのはこの点の判別のため)、更に足首の甲は非常に萌えるすばらしいアレンジがなされていますから、「バイアランは藤田メカ」も誤りとは言えないでしょう。
※ところでこの画稿ですが、他の媒体では一切出ておらず、非常に珍しいパターンです。案外ひょっとして…(以下都合により妄想略)
『ジ・アニメ特別編集 機動戦士ΖガンダムPART 2」 p113より
もうひとつの証拠。藤田一己氏の証言では、バイアランはアレンジとクリーンアップです。
なお余談になりますが、Ζガンダムのメカに富野ラフが存在するという話は聞き及びません(確か「エルガイムで全部任せた流れでΖも手を出さなかった」との発言があるはずですが出典を失念)。Ζガンダムの後半においては、色々な人に好き勝手に自由に描かせた物をセレクトするという方式がとられました。その結果としてデザインラインは統一性に全く欠ける非常にバラエティに富んだ物となったのは見ての通りです。ちなみに、ディジェはアクシズのMSとしてデザインされ、バウンド・ドックは水中用、ジ・Oはホバーで地上を動く物としてラフが描かれましたが、デザイナーの意向は汲まれませんでした。他の機体についてはわかりませんが、おそらく似た様な物だと思われます。
全くどうでもいい事なのですが、ちなみにオイラの脳内スペルは、Biarant(ビアラン)です。Bia(暴力の女神ビア、魔女っ娘メグちゃん)+rant(わめく、どなり立てる)…マゾでごめんなさい。
2011/12/29
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