妄言「08ドムのこと・その3」

↓おまけのドム関連画像
ドム黒歴史


かいせつ

 「ドムの熱核エンジンはフレア側に付いている物だ」と決め付けて考える事自体が、そもそもの誤りです。
 上図の説明の繰り返しで「くどい」と言われそうな感もありますが、ドム・トローペンのエアーインテイクが、比較的適切な位置に(1991年の状況下において)「設定されている事」をあまねく全ての人に御理解頂くため、あえて念を押します。まあ、多少低めだなあ(これじゃ砂を吸い込んじゃうよカトキ博士〜)という感は確かにありますが、決して低いからおかしいという程ではありません。

 まず、そもそも脚の横に穴を開けて吸引器を付けている事を「装甲を重視したため」と考えれば、吸引器自体の防弾を考慮し、あえて低い位置に配置する事は別段不自然ではありません(当然円筒パーツの中か付け根に吸気用タービンがあると考えられる)。またトローペンのデザインから見ても、足(脚ではない)のホバー装置は低い位置に存在するのが自然です。つまり、ドム・トローペンのプロポーションから判断すれば決して不適切な位置などではないのです。

 では、見ればわかる事なのになぜ突っ込みを受けてしまうのでしょうか?それは「ドム・トローペン=ドムのリファイン」であると考えてしまうからです。まあこうなってしまうのも逆に絶大なる信仰のなせる業なのでしょうが、そう考えると設定上の矛盾にぶち当たります。ゲルググはMGインストでは最低でも14基の熱核反応エンジンがある(事になっている)ため、MGドムも同様に多いと考えれば当然「ン、おかしいぞ?」という事にならざるをえません。ですが、この解釈が出現したのはMGモデル以降の事なのです・・・よって、これすなわち「バーザムの悲劇」と同じ構造です。
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 それぞれのデザインの意図や演出上の要請、当時の状況を考慮せずに設定の整合性を取る事にのみとらわれて、別の所で出された設定との矛盾を理由に元デザインに突っ込む事は不毛でしかありません。ただし、設定が変化していく物である事を見据えずに現在の認識で判断しておかしいと感じるのは、古い資料を何ら持たない若い人には仕方のない面も確かにあるでしょう。ですので、これらは結局は「私の様な年寄りが伝える責任を怠った事のツケが回ってきた」のだとも言えます。設定の枝葉末節はそれこそ徹底的に根掘り葉掘りほじくられてきましたが、「設定の本質は何か」といった点が論議される事が一度でもあったでしょうか?また、「どう設定を作ればいいのか」を語ったガノタが今まで一人たりともいたでしょうか?

 ちなみに、センチュリーや昔のMSV設定では熱核反応エンジン3基(両脚に各1基)という設定であり、これは0083製作時においても定説でした。よって「いかに設定を構築するか」という視点から見た場合、「0083のドムは、地表を飛ばずにホバー移動だけって事にしよう」と考えれば、「脚部の3連ノズルを無視し、靴をより大型化するリファイン」へと行き着くのは必然と言えます。またそもそも、0083の発表時には「ドム・トローペン≠ドム」という別物解釈が既に前提でしたので、3連ノズルを持ち出した「位置が低い」という突っ込み自体が、批判の矛先がおかしいのです。要はトンデモ本である空想科学読本の様な物にすぎませんので、私にしてみればわざわざ突っ込む事すら値しません・・・本来ならば。

 しかし、にもかかわらずわざわざ書いているのは、どこかで見た様な物と全く同じ突っ込みが「さも堂々と」なされていたのを、当時の最大手のガンダム掲示板であった「サイド7」で目にしたためです。つまり一般人への受け取られ方は、何と私の反応とは正反対だったのです・・・そして、「トンデモを信じる大衆がアホなのさ」と軽く笑い飛ばしてすませられるほどには、私は人間が出来ていない事は皆様御存知の通りです(あ、そういえばバーザム問題もこれと同じパターンですねえ…)。

 ええと、話を08ドムに戻します。「黒い穴だからインテイクなのだ!」という誰にでも考え付く幸せな解釈はさておいて、「吸気口」を考えるならば最初に正確なエンジンの位置、サイズ、個数を見極める事が必用です。しかし、ドムはそれ自体が不明瞭ですしし、そもそも、「画面の様に飛んでいる」のか、「飛んでおり、足の裏からも噴射している(ただし画面では解像度が低いため見えない)」のか、「実は地表を滑っている(いわゆる共通認識?)」のかすらも謎であっては、正確な判断など下せようがありません。

 ですがまあ、結局の所エンジン数はバンダイ設定やガノタの共通認識としてはフレア部に3基で決定かとは思いますが、MGモデルの足の裏はアニメの様なツルペタなどではありませんから、仮に熱核エンジンではないにしろ大掛かりな噴射装置が絶対に存在しており、大量の吸気を必用としているはずです(まあ、ファーストの映像でのプロポ―ションならば足はただの着地装置にすぎないともとれますが、足が巨大な昨今のプロポーションの場合、ツルペタというのは到底考えられません)。
 ですがMGモデルにおいても、インテイクは内部メカ(ふくらはぎ辺り)にモゾモゾ何かあるなあ・・・という調子で煮えきりません。 とは言うものの、その中途半端な所がなかなかガンプラ的であり、私には「ユーザーが妄想する余地を残すため意図的に未設定にされている」様に見えてなりません。という訳なので、そこから先は「受け手がそれぞれ各自で考える(妄想する)べき領域である」、と思っています・・・勝手に。

2003/6/23
2006./6/6 大幅改稿(6/9微修正)


ゴタク追加

 実はこの項目は、私が一介のガンダム同人だった99年初春に読者の方から頂いた手紙の中に、とあるホームページをプリントアウトした物が数枚添えられていた事に端を発します。でまあ当時、「フムフムなるほど、ネット世界にエラい人がいるのは良〜くわかったけど、俺の本の感想もせめて一行くらい・・・ブツブツ」と陰湿な顔つきでぼやきながら、「エイヤッ!」と速攻で書き上げた返事である「突っ込み文と図」を元にした物です。

 ただ、当時それをそのまま第三者に見せるのは流石にはばかられる物だったので、よってその年の夏コミに出した本ではチラリとドムの吸気に触れたのみにとどめたのですが、肝心の突っ込み部分を排除したために主旨が伝わりにくい物となってしまった事が多少悔やまれました。自分のポリシーとして「噛み付くのならば上」というのがあるため、同じ身分の同人への突っ込みには躊躇するものがあったのです(※1)

 そして私も遅まきながらインターネットをのぞく様になり、その現状と(※2)例の内容をまんまパクった08ドム・カトキドム批判等を目撃するに至って、「もはやチネル教に匹敵する影響力だ、こりゃ放ってはおけぬな…」と感じました(既に相手の「身分」が変わっている事で、こちらが噛み付きを控える理由も無くなりましたし)。よって「何でイマサラ?」との苦言や「身分の差をわきまえて物を言え!」との糾弾があろう事を覚悟の上で、こうして妄言を垂れ流すに至ったという次第です。(※3)

 まあ、サイト再開の記念にamogo先生の管理する掲示板に再度宣伝アドレスを貼らせて頂くというのに、MSヲタな文章がないというのは流石に失礼だろうという理由もありましたが(ン?)、いずれにせよこれを見ている方には、迂闊に私の真似をして怪我などをなさらない様にくれぐれもお願いします。

 なお余談になりますが、これを書いた時点では、以前にさるミリヲタの知人(顔は見たことなし)が「境界層の突っ込みは航空理論的に崩せるよ」とチラリと言っていたのをすっかり忘れており、つい最近色々詳しい事を教えてもらいはしたものの当方にそれを理解できる専門知識があろうはずもなく(何でも某掲示板でマターリと小出しにした情報だけでも充分崩せているんだそうですが)、そういう訳でみなさんが期待されているであろう専門的方面からの突っ込みは、残念ながらやりたくてもできませんので悪しからず・・・。

2004/01/18
2006/6/6 言い回し修正


(※1) 例えサークルの規模の差はあれども「同人はプロではない」ので、敵対する事は得策ではありません。そして何よりも、同人は「批判を受け止める能力を持たない(自分が発言者である事の自覚が無い)」人の割合が多いため、多少指摘しただけのつもりでも逆ギレ状態となる可能性があります(まあ私は別に構いませんけど)。この「自覚のあるなし」は本人の自己申告を聞かねばわかりませんが(無論現実にはそれすら信用できませんが)、私の判断基準では、例えわずか一度でも記名原稿で原稿料をもらっていれば「プロ=自覚あり」とし、そうでなければいかに壁際大手で儲けていても「アマ=自覚無し(の可能性あり)」と見ています。コミケの中である限りあくまでも「ごっこ遊び」にすぎず、そもそも同人誌には消費税も付きません(いや、中には同人の儲けの所得税を払ってる所もわずかに…)

 ・・・とか何とか言ってはみても、向こうにとっては「自分の身分が違うという意識などこれっぽっちも無い」というのは充分わかってはいるのですけど・・・とかゆう以前に、このサイトの存在すら知られていなかったりするのが良くありがちの現実という所でしょうケロ・・・(ってゆーか自意識過剰?)

(※2) ここ、色々はしょってますねえ・・・(まあ、何かがあったであろう事は推測されているかとは思いますが、御想像におまかせします)。ええと実は、自分的にはケリはとっくの昔についています。ただし、人間が批判を受け止める事がいかに困難であるかは昨年明らかになった通りでして(無論それは私も同様ですが)、「まさに敗者の言葉は聞かれず、残らず」だなあ・・・と、社会的に決着が付かねば無意味である事を認識させられました。そういう訳でまあ、流石に人様に同じ物言いを何度も繰り返すのは失礼ですので、ひっそりつつましくこの暗黒の地下空間でとブツブツ繰り返してグツグツ蒸し返しているという次第なのですケロ・・・(ってゆーか実は非難轟々?)

(※3) いや垂れ流す必要などない、あれはそもそも「全肯定教義」の提唱以前の古い物であり、現在の考え方とは異なる物だという事くらい学会を見ればわかるはずだ・・・とお怒りの方も多くおられるかと思いますが、それにつきましては「現実にはそれを読み取れる者(学究の徒)以外のガノタ、つまり単なる信徒の方が多い。例えば…」と答えさせて頂く予定でしたケロ・・・(ってゆーか用意周到?)

2006/6/6 注釈追加


       
08ドムのこと・その2 妄言

G_Robotism